改善のポイント 在庫(仕掛品)を取っ掛かりにする 〜TOC・トヨタ

 改善のポイントはいくつかありますが、重要なポイントが在庫です。


トヨタ流?】
 トヨタの人や出身者の方と話をしますと、在庫(仕掛品)に着目しているのに良く判ります。
 なぜか?
 在庫は、問題を隠すからだそうです。
 基本的に、在庫(仕掛品)があると、各種問題に対応できます。
 製造ミスによる部品・品不足。
 生産計画のミス。
 急な発注への対応。
 発注ミスへの対応。
 などなど。
 いろいろとミスに対応する際、便利です。
 トヨタの人に言わせると、在庫は問題を隠してしまうから駄目だそうです。
 トヨタは、問題の見える化と問題解決を重視しているんですね。


【在庫を改善するのがなぜ良いのか?】

 在庫の削減は、以下の様なメリットがあります。

①資金の改善
②生産性の向上
③無駄なスペースの削減
④納期の短縮
⑤その他

 いろいろと良いことがあります。

②生産性の向上
 基本的に、在庫(仕掛品)があるところは、生産上のボトルネックになっているところであり、そのあたりを改善することにより、低コストでの生産性の向上を期待できます。
 これはTOCの考え方に近いですね。


【在庫(仕掛品) がある理由を探る】
 一原因一問題ではありません。1つの原因が複数の問題を解決する場合がありますし、複数の原因が1つの問題を引き起こす場合があります。
 いろいろな原因があり、在庫と言う結果になるので、逆に在庫を取っ掛かりにして、各種原因に取り組むわけです。

 大量の在庫(仕掛品)がある理由を探る。
 これが重要です。偉い人だったら、「在庫を減らせ」の一言で済んでしまいますが、現場は実際に実行しないといけません。
 この辺は、なぜなぜ分析(5WHY手法)で原因を突き止めて行きます。
 その際、製造だけではなく、物流・発注や営業などが問題になる場合がありますが、それでも構いません。
 営業体制の悪さで在庫が溜まることは良くあります。
 在庫削減(仕掛品)を機会にして、営業を改善するわけです。


【在庫の改善は、チーム・組織で】
 在庫(仕掛品)はどこにできるかと言いますと、人と人の間。組織と組織の間にできます。
 人と人の間、組織と組織の間は、情報と責任があいまいですので、改善が進んでいない個所でもあります。
 自分の責任でもないし、権限もないので、他の人に指摘するのは困難です。
 そのため、チーム・組織で活動することが重要になります
 社長・上司の腕の見せ所ですが...実はもっともボトルネックであり、問題解決の妨げだったりします。


【仕事の溜まりでもある】
 在庫(仕掛品)の考え方は、ホワイトカラーの仕事にも適応できます。
 仕掛品=終わっていない仕事と言うことです。
 事務仕事の場合、そもそも在庫(仕掛品)が見えないので、見える化を最初にする必要があります。