改善のポイント なぜなぜ分析(5WHYS) 〜なぜなぜ分析(5WHYS)をすると職場の雰囲気が悪くなる。

 トヨタ流改善と言って、なぜなぜ分析(5WHYS)を試してみるところが、増えています。
 その一方、なぜなぜ分析(5WHYS)で失敗する組織もあります。
 失敗とは言わずとも、職場の雰囲気が悪くなる場合があります。

 どうやら、結構あるみたいですね。
 「なぜなぜ5回」がプロジェクトの雰囲気を悪くすることも
なぜなぜ分析の効果と注意点

 原因は、「○×さんが駄目だから」「○×さんのスキル不足」になってしまう場合が多く、職場の雰囲気を悪くするためです。
 原因にされた、○×さんは、気分を悪くします。
 個人攻撃になるので、他の良心的な人も、気分を悪くします。
 攻撃している人は楽しいのですが。

 人・組織を理由・原因にしないという人もいますが、これですと人・組織の改善が進みません
 「原因ではなく、最初から解決に焦点を当てる」「WHYではなくHOW」で考えるというのもありますが、それでは真の問題に到達する前に解決策を考えることになるので、なぜ5回という点が吹き飛んでしまいます。


【人が問題になる場合】

 例 
 原因:体力不足
 対策:筋トレ 会社は運動施設の整備や筋トレ時間をもうけるなどがあります。

 スキル不足であれば、どうやってスキルを上げるかを個人に投げるのではなく、会社としてどう取り組むかが重要になります。

 個人のスキル・人格・正確を理由・原因にしない。
 着目は、どうやっているか(手法・手順)です。
 個々の仕事の手法手順は、十分改善の対象になります。

 そして、良い人の手法・やり方を広めることが重要です


【なぜ、ソフト業界などでは上手くいかないのか?】
 工場では、プロセスや作業手順(マニュアル)が、がっちり決められています。
 つまり、工場では、個人問題・個人攻撃というよりも、プロセスや作業手順(マニュアル・手法)の問題になります。
 その人が、変な手法でやっているとしたら、作業手順(マニュアル・手法)が悪いか、作業手順(マニュアル・手法)がないのが悪いか、その人が守らないとなるわけです。
 守らない場合のみ、個人の問題になる場合が多いです(実は守らないではく、マニュアルの質が悪く守れないことが多い)。


 それに対して、ソフト業界では、作業手順(マニュアル・手法)がなく。作業手順(マニュアル・手法)を考える・教えるという習慣もない会社が多いです。
 そのため、個人の問題へと転化されやすいと思われます(証拠はないですが)。

 また、そもそも改善作業に慣れていない。
 前提段階が、そもそも工場と違うんですね。

【根本問題は】
 改善活動に慣れていない組織に対して、改善に対する精神(マインド)を導入せずに、手法だけを導入しようとするためです。
 当然のことながら、精神を理解して居ないわけですから、勘違い、誤用をする可能性があります。

 また、導入支援するコンサルタントも、製造業出身が多く、他業種を理解していない人も多いために、トラブルが起きます。