誤まった改善・改良が、時として事故を引き起こす。
「焼肉酒家えびす」の食中毒事件。
肉の表面をそぎ取り菌を取り除く「トリミング」の実施していない可能性が出てきました。
手間を省いてのコスト削減でしょうが...誤まった改善は、本来必要なものすらも削除してしまう。
別の記事では、「アルコール殺菌すれば大丈夫だと思った」とあります。
アルコール殺菌という楽な手法で、「トリミング」をしなくて済むのであれば、他の業者も「トリミング」をせずにアルコール殺菌で済ますでしょう。
逆に考えますと、アルコール殺菌じゃ駄目なんじゃないか? という考えも出てきます。
常識を疑えという話がありますが、何の根拠もなく否定をしろという意味でありません。
【なぜ、そうなっているのかを理解することが重要】
意味を理解せず改善し事故を起こした例は多い。
作業改善の一環として、バケツで放射性物質を取扱、臨界事故を起こした東海村JCO臨界事故。
機能を追加して、異常な重さになり、急停止できなくなった六本木ヒルズの回転ドアの事故。
なぜ、そうなっているのかを理解せずに、改善した例です。
【意外と難しい】
しかし、現状では、「なぜ、そうなっているのかを理解する」ことは難しくなってきています。
そもそも、なぜ、そうなっているかを知っている人が少ないからです。
知識の断絶が起きているんですね。
上の人も、なぜそうなっているのか、説明できないので、とりあえず、マニュアルを守れや前例主義になりがちです。
そうなってくると...前提条件の変更について行けない。
その行為を行う際の前提条件が壊れているにも、関わらず行い。意味不明な行為をやる羽目になってしまう。
一方、やっている人も、行為の意味や価値が判らないから、手抜きがちになったりする。
【今後増える】
ゆとり世代増加による、基礎的な知識の不足と第2次ベビーブーム世代のの非正規社員による知識継承の失敗、ベテランの引退による知識の消失により、この手の事故は増えて行くと思われます。