マイクロンテクノロジー ど田舎発のハイテク企業

 今回紹介する企業は、マイクロンテクノロジーです。企業の生き残り、地域産業の振興には、参考になる企業です。
 マイクロンテクノロジ..アメリカの半導体会社ですが、ほとんどの人が知らないと思います。
 インテルは有名ですけどね。
 何を作っているかと言いますと、DRAMメモリなどを作っています(以前は世界一CMOSセンサーメーカーでしたが、その部門はAptinaと名前を変えてスピンアウトしました)。
 日本がDRAMメモリでアメリカに勝ったのは有名な話ですので、多くの人はアメリカに、DRAMメモリ会社はないと思われていますが、しかし、どっこい存在しています。
 DRAMメモリと言えば、日本が韓国のサムソンや台湾の会社に負けた、あれです。日本企業は、利益が出ないと撤退を続け、現状では、エルピーダだけになってしまいました。
 この会社の注目点は、2点。
①なぜ生き残っているのか?
②ど田舎にある会社。

【①なぜ生き残っているのか?】
 日本企業は、人件費が高いから韓国・台湾に負けたという論調が多いのですが、日本よりも人件費が高いアメリカでも、どっこい生きています(さすがにシェアは4番手ですが。また、エルピーダは日本の企業ですが、生産は台湾の比率が多いです)。
 なぜアメリカで生き残れるのか、摩訶不思議な設計力、最先端設備への投資、設備の延命などの低コスト対策などがあります。
 一個一個は、普通ですが、これらのこと地道に行うことにより、日本・韓国・台湾と互角に戦っています。
 細かいことは、こちらを参照してください。
 また、日本企業と比較しますと販売管理費が大幅に安いです。
 摩訶不思議な設計力とありますが、売上が4000億円程度なのに、年間特許取得数で6年連続全米上位10社以内に入っています。摩訶不思議な研究開発力も持っています。この辺は、摩訶不思議で誤魔化すべきではないのですが...

【②ど田舎にある会社】
 アイダホのボイジーという田舎で創業された企業です。現在も、本社、工場共に、アイダホのボイジーというとんでもない田舎にあります(アイダホは、アイダホポテトのアイダホです)。

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 イメージ的には、北海道の旭川島根県で創業したようなものです。そんな田舎でも、世界的な企業と渡り合っているのですから、不思議なものです。
 しかも、大企業の子会社でもありません。
 アイダホのボイジー出身の技術者が設立し、アイダホポテトの会社などから資金援助を受けて大きくなった会社です。
 企業が大きくなる過程では、地元先輩企業の後押しと言うのは、重要ですね。浜松におけるヤマハなどの発展を見ますと、発展する地域の共通点ですね。
 アメリカの場合、自社のカテゴリーの産業の発展の天井が見えた場合、思い切って他社に投資する場合があります。日本の場合は自社内での多角化が多いですが。
 ボイジーという都市に関しては、こちらを参照してください。
 田舎において、なぜ世界的な企業が生まれるのかについて、書かれています。
 特に、「成長を続ける小都市」は必読です。