高校の数学とコロナなどの感染症の患者数とロックアウトの意義

 高校の数学で、数列の発散、収束というのを習う人が多いと思いますが。

 この発散、収束の考え方は、コロナなどの感染症の患者数の増加予測と関係があります。

 数列が患者数でして、「発散=感染者数が増加して日本人の大半が感染」、「収束=感染者数が減少しておしまい」となります。

(単純すぎるモデルですが、基本的ですので)

 

◼️ポイント1

 感染症には、患者1人が何人の患者を生み出すかという基本再生産数という数字があります。 これは病気により違いますが・・・

 この再生産数が、数列(患者数累計)が、発散するか、発散しないかのポイントです。

再生産数=2 ならば、患者数が100人いた場合、

だいたい1週間ごとに、新規患者数 

100人→200人→400人→800人→1600人→3200人→6400人

と増えていきます。

累積ですと・・・

100人→300人→700人→1500人→3100人→6300人→12700人

 

再生産数=4 ならば、患者数が100人いた場合、

だいたい1週間ごとに、 

100人→400人→1600人→6400人→25600人→51200人→102400人

と増えていきます。

 

再生産数=0.5 ならば、患者数が100人いた場合、

だいたい1週間ごとに、 

100人→50人→25人→13人→7人→4人→2人→1人→0人

と減少して行き、8週間後(2ヶ月後)最終的に0人になります。

 

再生産数=1 ならば横ばい

再生産数=1.1 ならば緩やかな増加。長期戦。長期自粛で頑張ったけど、患者大量。

再生産数=0.9 ならば緩やかな減少。長期戦になるけど、騒動が終わる。

再生産数=0.5 ならば、急速に減少。短期戦。

再生産数=2 ならば、急速に増加。短期戦で敗北だけど、自粛は終了。

 

◼️ポイント2

 この再生産数は、固定の値ではありません。

 実効再生産数という数値があり、人間の行動により上下します。

 

 実効再生産数コロナの基本再生産数 ×人間側の努力

 

 マスクをつけるとか、ロックアウトとか、自粛とか、何の意味かと言いますと。

実効再生産数を1以下、または1に近づけるための対策です。

 

実効再生産数コロナの基本再生産数 ×マスク着用×手洗い×人の距離を取る×外出制限 などなど。

引き算ではなく、掛け算で働くことが多いので、小さい効果でも、積り積もれば、再生産数を下げる効果になります。

 

例えば、10%しか下げれない対策でも3つ行えば、

0.9×0.9×0.9 =0.729 となります。

 

再生産数=1.1 なのか、細かい対策を3つ追加して、

再生産数=1.1×0.9×0.9×0.9 =1.1×0.729 = 0.8

に努力してするかは、

収束するか、発散するかの差になります。