観光業のプロの人にとって、バックパッカーはマーケティングの対象にならない。
なぜなら、バックパッカーは貧乏旅行なので1日あたりの消費金額が低いためだ。
(実は滞在期間が長いので1旅行で見るとそれなりの金額になる)
そのため、富裕層マーケティングが中心になる。
しかし、観光においてはバックパッカーは重要な役割を演じている。
情報の発信だ。
■観光地の開拓者
バックパッカーは時間もあるし、チャレンジ精神もあるので、誰もいかないところにも行きたがる。
知名度がマイナーであっても、観光向けに整備されていなくても行くのだ。
そして、良いと思ったら情報を発信する。
海外旅行でも国内旅行でも、バックパッカーが新しいところを発見して、魅力を発信して、人が増えるパターンが多い。
ヨーロッパの旅行でも、昔はパリが中心だったけど。
バックパッカーが南仏やイタリアの田舎や東欧などを開拓していった。
北海道も、最初に地域観光を開拓したのは、バイクや自転車の旅行者だった。
■バックパッカーの属性
バックパッカーは金がない。ケチだ。
しかし、バカではない。
バカに言語の通じない未知の観光地を旅行するのは困難です。
バックパッカーは好奇心が高く、活動的で、ある程の知恵がないとできません。
海外だと有名大学のエリートが在学中、バックパッカーをやっていたりします。
ある程度、グレードの高い人の趣味なんです。
将来の富裕層だったり、富裕層の家族だったり、富裕層に繋がっている人が意外と多いんです。
で、その人たちが富裕層に口コミするわけですね。
■バックパッカーホイホイ ゲストハウスなどの安宿の重要性
安宿は重要だ。
バックパッカーは、安宿に泊まり、安宿を拠点にして探索、時間を消費する。
逆に、バックパッカーを地域に引き寄せ、地域の情報を発信させたければ、ゲストハウスなどの安宿を作れば良い。
大阪の西成はドヤ街だったけど、今やバックパッカーの拠点の一つだ。
新世界が外国人に人気なのは、新世界自身の面白さも大きいけど、西成の近くであり、多くのバックパッカーが訪れ、魅力を発信していることも重要だと思う。
■商店街・中央市街地振興にも使える。
熱海では衰退した中央市街地にゲストハウスを作ったそうだ。
これは良いアイデアだと思います。
中心市街は、なんやかんや言って、公共交通が地域で一番良いので、バックパッカーにとっても、ありがたい。
地域にとっては、ゲストハウスがあるだけで、人が集まるわけですから楽です。
しかも、ハードルは低い。
基本的にバックパッカーに高いレベルのサービスは必要ありません。
価格の安さと清潔さ。あと近所に安くて美味しい食堂や地域交流ができれば最高です。