宇都宮はLRTとBRTどちらにするべきか 〜本当の対立点と問題点は

【結論】
 宇都宮駅の地下停留所と公共交通専用アンダーパスを作ろう。
(別にオーバーパスでもOK)


【シアトルの交通】
 宇都宮の話をする前に、シアトルの話。
 シアトルは大都市なのに地下鉄がありません。
 では、不便な街かと言うとそんなことはありません。
 他の交通システムが完備されています。


 シアトルには面白仕組みがあって、バスが途中から地下を走るんです。
 http://www.walkerz.info/information/sea/transport/city.html#t_bus


 このトンネルは、バス専用のトンネルでして、これにより、都市中心部の渋滞を回避できます。

 
 以下が動画です。

 道路を見ると判るのですが、LRTとバス両対応なんですね。
 1:55あたりでLRTが走っているのが判ります。


 つまり、このトンネルは、BRTでありLRTなんですね。
 日本では、BRTとLRTを対立構図でやっていますが、本当に対立構造で議論する必要があるのでしょうか?


【停留所や専用道は共有できる】
 LRTは路面電車ですので、LRTの専用道をバスが通ることは可能です。
 また、停留所も共有することが可能です。


 LRTにしろ、BRTにしろ問題になるのは、専用道の確保ですね。
(専用道は必ずしも必要ではないのですが・・・)


 宇都宮の計画を進めた場合、LRTにしろ、BRTにしろ、この部分に時間とお金がかかります。
 おそらく、全面開業まで十数年かかるでしょうね。


 BRTかLRTかで議論するのは、かなり無駄です。
 最初にBRTで作って、LRTにすれば良いんですから。


 シアトルの場合、トンネルはバス用として作成されました。
 その後、LRTが乗り入れるという形になっています。


 バス路線が先に存在して、LRTが出来ていないのだから、まぁ当たり前ですが。
 この考えは、宇都宮にも応用できると思います。


 BRTを作って、需要が増えたところをLRTに改修すればいいんです。
(連結バスでも良いかもしれませんが)


 シアトルのバス。トロリーバス機能を持っていて、電気・ディーゼル両方対応なのが面白い点なんです。
 環境を問題にする人もこれなら問題なし。


【部分開業】
 鉄道の場合、全線開通してから開業と言うのは稀です。
 大抵、部分開業です。
 部分開業までの時間は、LRTよりBRTの方が早いです。
 それに効果も大きい。
 BRTの方が既存のバス路線を取り込めますしね。


 LRTの場合、部分開業でどれほどの効果があるのでしょうか。
 もし仮に、最初からLRTでやった場合、
 LRTの利用者数低迷。計画とん挫と言う可能性があります。

 それは怖いので。
 最初はBRTで開業。
 ある程度、専用路線が整備で来てからLRT導入とした方が、LRTの成功確率を高めるような気がします。



【宇都宮の問題は?】
 街の活性化を考えた場合、宇都宮は東西交通に難があります。
 また、中心市街地とJR宇都宮駅という拠点が二つあり(これは多くの他の街でも同じ。バス路線の無駄が多くなる)、さらに郊外店に押されて中心市街地が衰退しているという点です。


 個人的には、中心市街地がJR宇都宮駅の西部側にありますが、東部の人が中心市街地に行くのが大変だという点です。
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/004/874/H25.10_08.pdf


 東部地域のバス路線を見た場合、3種類のタイプがあります。
宇都宮駅東口止まり
宇都宮駅西口経由中心市街地域
中心市街地域直通


 アンダーパスが出来れば、上記の便数かなり統一できます。
 宇都宮駅行きも、中心市街地域も、便数が増えるわけです。
 これにより、利便性の向上が期待できます。


 また、西部の人が東部に通勤・通学する際も乗り換え回数の減少・便数の増加などによる時間短が期待できます。


 そのため、宇都宮駅地下停留所とアンダーパスを作ることが第一と考えられます。


 また、西口のバスターミナルを東口に移して、西口に駅前広場・イベントスペースを設けるのも良いかもしれません。


 上記のアイデアは、LRT、BRT関係ないですし、既存のバスにも適応できます。
(アンダーパス・トンネルが長ければそれ自身BRTですが)
 失敗したら、専用を解除すれば良いです。
 普通にアンダーパスとしての資産は残りますし・・・・


 逆に既存のLRT計画、BRT計画でも、宇都宮駅をどう横断するかを考えないといけない。


 トンネルはお金がかかるので、北回りの高架もありだと思います。
 その際もLRTだけではなく、バスとの兼用を考えた方が良いと思います。


 LRT、BRT云々ではなく
宇都宮駅横断のための公共交通専用のオーバーパスなりアンダーパスなりを先に整備することが重要でしょう。


なぜ、この点をしつこく書いているかと言いますと。

LRT、JR宇都宮駅横断に市が3案

工事の着手は6年以内に開通見込みとされる駅東区間の整備後になる見通し

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20131122/1420136


現状の計画では、思いっきり後回しになるためです。


個人的には、この計画は、LRTかBRTかではなく、根本的がおかしいような気がします。


【本当の対立は?】
 LRTかBRTではなく、公共交通の整備をするべきなのか? 自動車中心の街づくりで突き進むのか?
 中心市街地活性化にどの程度力をいれるかをもっと議論するべきなのでしょう。


 路線が同じであれば、LRTもBRTも専用軌道や駅の土地を取得することが重要です。
 この辺は、両者が協力し合って、公共交通整備反対派に対抗するべきでしょう。


【まとめ】


①LRTかBRTかではなく。BRT/LRT混在システムを目指すべきなのかな。
②BRT→LRTは容易であり、
 BRTの方が部分開業への時間と部分開業の際の香が大きいと思われるので、BRTを先に建設するべきである。

③既存路線バス、BRT、LRTにも使えるJR宇都宮駅横断パスを早期に作った方が良い。



【トンネルだと高いのでは?】
 高いです。でも、地下鉄程は高くないです。
 停留所は駅よりも遥かに簡素な作りですので。



【アンケートの無意味さ】
 地方で、バスを利用しますか? と言われて利用すると言う人が何パーセントいるだろうか?
 たぶん、50%を切るのではないでしょうか?


 じゃあ、「バスいらないね」「税金投入無駄」というのは、多数派の傲慢でしょう。


 LRTを利用しますか? と言われて利用すると言う人が何パーセントいるだろうか?
 たぶん、50%を大幅に切るでしょうね。