ブラック企業と旧日本軍の共通点

 ブラック企業と旧日本軍の共通点は、いろいろあります。

 
 人間を消耗品と考える。下から上への意見を認めない。などいろいろあります。


 最大の類似点は、上層部の愚かさを、現場の努力だけで解決しようとする点でしょうか?


 日本人は、真面目なので上層部が愚かでも、現場のモラルハザードが起きない場合があるんですね。
 一生懸命努力してしまう。
 そのため、従業員を大切にしてもしなくても対して変わらないという結果になり。逆に上層部が現場を改善する意欲、従業員を大切にする気を失わせる。そして、上層部がバカでもそれなりに戦えてしまう。


 日本軍の上層部は、戦略的にかなり無能だった。
 アメリカ軍との戦いにおいて、どうやって戦争を終わらせるかについて真面目に考えていないんだから。
アメリカ人は贅沢な暮らしに慣れた根性なしだから、初戦で勝利すれば、停戦に持ち込める」みたいなレベルだったみたいです。
 フィリピン、ハワイを占領できたとしても、アメリカの巨大な国力は存在する訳で、どう対処するかは、あまり考えず。いや、真面目に考えると答えはないので、意図的に考えなかったというべきか。


 日露戦争はロシア国内の混乱もあって停戦に持ち込めたけど、太平洋戦争では、停戦に持ち込めずというか、初戦の圧勝で、浮かれあがって、もう着地点が不明になる世界。


 イタリア軍なんて、いとも簡単にモラルハザード。でも、頑張らないから無用な損失は少ない。
 ヘタリアとかで、バカにされているけど。
 彼らからしてみれば、エチオピアなど海外に戦争しに行く理由が不明。自分の街と家族が一番だと思っているので、海外に領土を取りに行く意味が分からない。その代り、自分の街が襲われるとめちゃくちゃ強い。
 そして、侵略されることも多いけど、それなりにちゃんと独立しているわけで、独特な巧妙さと強さを持った国なんでしょう。


■戦略の優位性

 戦略の無能さを戦術の有能さでカバーするのは容易じゃないんですよ。
 対戦相手の体力差が余程あるか、相手の戦略、戦術で無能であれば何とかなるのですが、そうじゃない場合、目も当てられない結果になる。


 企業の場合、経営戦略が無能な場合、現場の力でカバーするのは容易じゃない。
 コンビニエンスストアーの場合、会社により売上が20%〜30%違う。他のチェーンからセブンイレブンに乗り換えて、2割、3割売上が上がりましたなんてあるんだから、シャレにならない。
 セブンイレブンが強いのは、末端の店舗の努力もあるけど、サンドイッチやおにぎりが美味しいというサポートの強さがある。
 そして、そのサポートの強さを生み出すのが、経営の上手さ。


 現場がどんなに努力しても、上司がまともな企業にはかなわない。
 短期間は上手く行けど、そんな無茶が長く続くわけがない。



 もっとも、困ったことに中には経営が上手いブラック企業があったりするから困ってしまう。
 ワタミみたいに一大ブラック企業帝国ができちゃうんだよね。


 企業としては、図体はデカくても、従業員は全然幸せじゃないという困った組織。