日本の問題は、個人が頑張りすぎること。

 日本のソフトウェア産業、エレクトロニクス産業の海外進出は上手く行っていない。
 海外から見ると、決して個人の技能や生産性、品質が低いということはないらしい。海外の二分の一や三分の一程度の人員で、同程度のものを作るのだから、海外から見れば、日本脅威のメカニックである。
 問題は企業だ。企業が多すぎるのが最大の問題。ソフトウェア産業、エレクトロニクス産業は、製造ではなく、設計の比率が多い。特にソフトウェア産業は、設計費の塊である。この設計費は、製造費と異なり、台数が増えたからといって増えるものではない。割り算により、1台あたりの設計費は安くなり、結果、利益が増したり、価格削減の効果(価格競争力)が出てくる。同じニッチを狙っても、始めから世界を狙えば、収益があがる。
【例】 1億円の開発費がかかったソフト。
 ①100万円で、100人に売るか。②10万円で1000人に売るか。これは、マーケティングと戦略の世界。
 1社しかないならまだしも、①の戦略の商品と②の戦略の商品が、勝負したら①が勝つのは難しいだろう。
 日本は、企業が乱立し、似たようなものを出しているため、設計費のスケールメリットが聴き辛い。
 結果として、①の戦略になっている。結果として、②の戦略のアメリカなどに負けてしまう。
企業が乱立するのは、経営者が馬鹿なのと、従業員が頑張りすぎているため。
従業員が頑張って、経営者の馬鹿をカバーするから、企業の乱立が維持可能になってしまう。しかし、すぐに負けはしないけど、勝ちもない。ジワジワと苦しくなるだけ。
 NEC富士通なんて合併しちゃって良いんだよ。シナジー効果はないけど、似たようなものを作って消耗しあっているんだから。