アメリカでも日本でも、国債の利回りは長期金利の指標になっています。
しかし、現状の日本において、国債の利回りが0.4%台になるなど、大幅な低下が進んでいます。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKRWMT6JIJUQ01.html
これは、日銀が放出したお金が日本国債に向かっていたり、日銀自身が国債を購入しているため、買い手市場になり国債の価格が値上がりしているためです。
日本のお金は、日本国債だけではなく、海外の国債にもながれて、海外の国債の利回りも低下しているみたいですが・・・
その結果、円が海外にながれて、さらに円安になるのですが。
そして、それによりさらに株式が上がる好循環。
に見えます。
それは、さておいて、現状の長期金利0.4%台は凄い低金利です。
一般的に、長期金利>物価ですので(逆なら国債を買う意味がない。物を買ったほうがマシです)、マイナス物価ならば、超低金利の長期金利も判るのですが・・・・
現状の日本は、政府も日銀も、1年で1%、2年で2%の物価上昇率を明言しています。
長期金利が、この水準にあることはかなり異常な状態です。
可能性として考えられるのは、①市場関係者が物価上昇率2%はないと考えている。②日銀の介入が大きく国債相場が歪んでいる。
【もはや市場は、経済を映す鏡ではない】
どうにも、素人意見ですが、②の可能性が大きくなっているような気がします。
となりますと、従来の経済学が想定している、国債の利回り=長期金利の指標というのも、どうにも怪しくなります。
もはや、国債利回りなどは、日銀の介入により日銀の影響下にあります。つまり、市場は、経済を映す鏡ではないのです。
市場は、未来を映す鏡などと言いますが、もはや相場を支配しているのは市場関係者の集合知ではなく、日銀の介入・政府の思惑です。
(まぁ、もともと本当に未来を映す鏡かは怪しいのですが・・・)
【金利はリスクをちゃんと計算しているのか?】
民間企業への貸出金利(長期金利)=国債利回り(長期金利)+企業の信用+α
国債利回り(長期金利)が、低下していれば民間企業への貸出金利(長期金利)も低下します。
現状では、国債利回り(長期金利)が不自然な程低下している状態です。
ハッキリ言って、リスクをちゃんと含めているのか妖しい?
もはや、現状の国債利回りは国債のデフォルトを加味しているとは思えないレベルです。
何も考えていない。
原発のリスクを無視して、安い電力と言ってる電気料金みたいなものです。
そのため、現状の基準をそのまま当てはめたのでは、民間企業への貸出金利(長期金利)も、不自然な低下をすることになるでしょう。
まぁ、バブルと言うのは、過剰信用(リスク軽視)の産物なのですが。国債バブルは既においているような気がします。
当初は気がつかないと思いますが、徐々に気がつくはずです。
指標・基準が壊れてしまっていることに。
もはや市場は、経済を映す鏡ではないことに。
そうなってしまった場合、銀行の貸出金利の決定は非常に難しくなります。
各種プログラムや計算方法は、市場を指標としているためです。
危険性が発覚した瞬間、意図せず貸し渋りが起きるかもしれません。
まぁ、基本的に私の話は当たりませんが。