バブルが原因で好景気になった場合、バブルが弾けたことをが原因で不景気になる。
現状では、実体経済へのプラスの影響が小さいので、マイナスの影響も小さいですが。
今後、株式が高騰して、実体経済にプラスの影響が大きくなるにつれて、その後のマイナスの影響が大きくなるでしょう。
80年代後半〜90年のバブル(不動産・株バブル)、
90年代後半〜2000年のバブル(IT株バブル)、
そして、現在、三度目のバブル(の可能性)です。
こうやってみると、だいたい10年に一回の割合でバブルって起きるんですね。
ホリエモンの問題さえなければ、リーマンショック前にもあったかもしれませんが。
【バブル正統化理論】
バブルと言うのは、バブルを正当化する理論がないと成り立ちません。
しかも、新しい時代・新しい産業など予測困難じゃないといけません。
そうじゃないと過剰信頼が生まれないためです。
株式が上がる、経済が好調であることの理由(口実)になる理論がないと、なかなか長続きはしないものです。
しかも、前回と同じ正当化理論では、駄目なんです。
新しい理論・口実が必要なんですね。
80年代後半〜90年のバブル(不動産バブル)の時代は、アメリカがこけていて、日本がトップになった時代でした。
「ジャパン アズ ナンバー1」の意識によりバブルが起きました。
日本経済に対する過剰な信頼ですね。
NTTや国鉄の民営化などもありましたが、世界一になった日本は、その後も、世界の中心として、どんどん成長し続ける。その結果、不動産も上がり続ける(土地神話)という思惑の元にバブルが起きました。
関空国際空港(国際化の象徴)やら東京テレポートなど臨海開発がその良い例ですね。
また、リゾート需要も当時大幅に伸びており、リゾート法に伴い地方でもリゾート開発バブルが起きました。
海外旅行や飛行機による国内旅行も増えました。
実は消費水準としては、それ程以上ではなかったのですが(一部変な消費もありましたが)、株と不動産が投資が問題でした。
記憶に新しい90年代後半〜2000年のバブル(IT株バブル)は、インターネット、ITによるニューエコノミー論でしょうか?
景気循環はなくなり、永遠の好景気だのそんな話もありましたね。
インターネット、ITに対する過剰な期待がバブルを引き起こしました。
ITを口で言うだけで、良く判らない会社の株式すら上昇した時代でした。
しかし、インターネット自身は社会を変えたのは事実ですので、見当違いな企業への投資と、過剰による需要の前倒しが、問題だったような気がします。
不良債権問題は日本ではそんなにおきませんでした。
景気後退は問題でしたが。一番の問題は、半導体産業で起きました。数量の減少、価格の減少、過剰投資により、業績がボロボロになり、かなりダメージを受けました。
この時のもたつきが、韓国・台湾・アメリカとの大きな差になってしまいました。
さて、今回のバブルですが・・・新しい産業の動きがないにも関わらずバブルの匂いだけが存在します。
問題は、バブルの後に、何を残すかです。
80年代のバブルは不良債権を残しました。負もデカいですが。
その一方で、その前後に地方のインフラの整備も進み、それなりの効果がありました。
アメリカで起きた90年代後半のITバブルは、IT企業と人材とITインフラを残しました。
問題はありましたが、2000年代のアメリカの成長を後押ししたのは間違いないでしょう。
起きるかどうかは未定ですが、
では、平成三度目のバブルでは、一体何が残るでしょうか?
現状は、株式や債券にお金が流れている状態であり、投資と言う価値には動いていません。
一部のエコノミストは、投資に向かえば、本格的に景気が良くなると言いますが。
投資が起きれば、本格的に不良債権が生まれるわけです。
現状のように、株式が上がり、円安で企業の業績が良くなれば、旨味だけで終わるのですが・・・
どこに向かうんでしょうね。
バブル正当化理論になりそうな、新しい産業は見当たりません。
過剰信頼もどれが対象に起きるかは判りません。
円安になり、輸出企業は業績は良くなるでしょうが。
円安輸出バブルでしょうか?
なんか、面白みに欠けます。
あえていうと、正統理論は、日銀・金融緩和・アベノミクスでしょうか?
政治依存と言うのが、現代の日本の閉塞感や創造性の無さを表しているのが、何とも皮肉です。
今回の金融緩和・アベノミクスは、影響が予測困難ですので、過大な期待・信頼を持つことが可能なんですね。
今回は、日銀が大きく関与して、国債や不動産信託(?)にお金が流れているのが気になります。
しかも、政治と一体ですので、明らかにおかしい事態になっても、中立的に対処するのは無理でしょう。
日銀に対する過剰信頼?
まぁ、日銀がクラッシュして、信用が壊れたら、それこそ大ダメージですが・・・
PS
2000年代初頭には、脱モノ作りが起き。
2004年頃になると、円安になり国内回帰、やっぱりモノ作りになりました。
リーマンショック後、円高になり国外脱出と脱モノ作りが起き。
2013年は円安になり国内回帰、やっぱりモノ作りになりそうな気配です。
歴史は繰り返すと言いますが・・・・どうなんでしょう。