ルネサスは再生できるのか? 〜ルネサスの業を感じるマイコン群

ルネサスと言えば、世界的な世界一のマイコンメーカーです。
そして、ルネサスの再生の核となると思われるもマイコン(特に車向け)ですが・・・・
ルネサスマイコン商品ラインナップを見ますと、ルネサスの業を感じます。


http://japan.renesas.com/products/mpumcu/index.jsp


マイコンのファミリーだけでも、14ファミリある。
さらに、その1ファミリーの中に、複数のバージョンがあるんだから、ルネサス全体で何種類のマイコンがあるのだろうか。
数える気にもなれない。


なんで、こんなに沢山の種類があるのでしょうか?

大きく分けて理由は二つ。


①合併
理由は簡単でして、NEC,日立、三菱電機の三社が合併したためです。
そして、NEC,日立、三菱電機の製品群を、まるまる維持し続けているんですから。
基本Hが付くのが日立。Mが付くのが三菱ですね。残りがNECでしょうか。


②お客様を大切にしたから
ある意味、お客様の要望に地道に答え、お客さんを切らなかった大切にした結果でしょう。


似たような製品ですので、重複の無駄なのですが、正直、なかなか切れるものではありません。
商品を切れば、売上の減少・信頼の低下に繋がりますので。


 その一方で、資源の分散と高コストになる。非常に痛し痒しです。
 自動車業界は特に品質に細かい業界です。
 常に同じものを要求します。
 工場を変えることすらなかなか許されない。
(工場を変えると品質が変わる危険があるためです)


 通常、世界一の企業と言いますと、利益を出しているのですが、ルネサスは三つの企業が合体しての世界一ですので、一つ一つは、世界一じゃないのかもしれません。
 そのため利益が出ないんでしょうね。


【価格引き上げ】
 収益を改善させるためには、価格を上げるのが手っ取り早い。短期的にはですが・・・・
 ユーザー側は、他のマイコンへの移行コスト・移行時間を考えると、短期的には値上げを飲まないといけません。

 長期的には、ユーザーに切られますが・・・


 トヨタなどが、支援に動いた理由はこのあたりでしょう。
 収益改善を名目に値段を上げられてはたまらない。


 トヨタなどがルネサスの大株主になったことにより、飼い殺し状態になるのは、確定したような気がします。


ルネサスを待ち受ける脅威】
 やはり、ARMコアの製品の普及でしょうね。
 どこのCPUでも同じソフトが走りますとなってしまえば、
 ソフトウェアの遺産、他のマイコンへの移行コスト・移行時間を理由にしたユーザーの囲い込みができないわけですから、待ち受けるのは価格競争と高性能化競争。