期待も大きいけど、不安もトラブルも事故も多いボーイング787 〜ハインリッヒの法則

 近頃、ボーイング787のトラブルに関するニュースが多いですね。
 窓が割れたり、燃料が漏れたり、電池が燃えて火事が起きたり。
(この電池による火災は周辺に延焼したので、意外と深刻な事態かもしれない)


 一般的に新しい製品=以前より良い製品と考えがちですが。
 新しい製品=トラブルが多い製品、取り切れていない製品を意味します。


 現在、安全で大ヒットしているA320なども、発売当初は、当時としては先進的で斬新な飛行システムと旧システムになれたパイロットの間で不都合を起こし、墜落事故などを起こしました。
 そのため、ボーイング787に多少のトラブルが出ることはやむを得ないのですが、これが大事故の予兆にならないことを祈りたいです。


ハインリッヒの法則
 世の中にはハインリッヒの法則というのがあります。


 1件の大きな事故・災害の裏には、
 29件の軽微な事故・災害、
 そして300件のヒヤリ・ハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)があるとされる。


 実際には、ヒヤリ・ハットの下には、何千もの危なっかしい行為があるのですが。


 現状のボーイング787は、「29件の軽微な事故・災害」の段階でしょうか。


【大事故になった例】
 大事故になった例は、福島原発ですね。
 福島原発以前に数多くの事故を起こしたのですが、意識改革を行えず、地震と言う引き金で、大事故を引き起こしました。


ボーイング787の潜在的な不安点】
 ボーイング787の開発は2008年で終了するはずでしたが、不具合が出て伸びに伸びて、2011年になりました。


 ボーイングは比較的予定通りに開発する会社であり、これ程の遅延は初めての経験だっと言われています。


 それだけ、品質に気を使ったと言う可能性もありますが、トラブルが満載だっと言えます。
 もし、開発が2012年に伸びた場合、大量のキャンセルが出て、ボーイングの経営に重大な影響を与える可能性がありました。


 ぎりぎり間に合ったと言えますが、ぎりぎり間に合わせたともいえます。
 その無理がどこかに出なければいいのですが。


 この787という飛行機は、当初から開発があまり順調に行っていない飛行機でした。


 2007年7月8日(シアトル時間)に1号機のロールアウト式典(ロールアウトとは、新しい製品やサービスを公開し、運用を開始すること)つまり完成式典みたいなものが行われたのですが、実はコクピットも付いておらず、中身はまともに出来ていませんでした。
 そのため、飛ぶことは当然できない。
 にもかかわらず完成しているふりをしたのです


 この出来事以降、どうにも、787を私は疑惑の目で見てしまいます。
 

 また、生産に関しても、徐々に拡大すると言うよりも、かなり急速な立ち上げを行ってるそうです。
 開発が遅れている間に、十分な訓練を行っていれば良いのですが、生産の増加に従業員の訓練が追い付いていない可能性があります。


 ボーイングは、もともと本社も工場もシアトルにありましたが、本社はシカゴに移りました。
 これは、あまり良いことではないなと思うのですが、品質低下の伏線にならなければ良いなと思ってしまいます。


 まったく、根拠はないですが、寒さ・冬対策に穴があるのではないだろうか。上空は、寒いので単純な寒さでは問題にならないと思うけど。


ボーイング787は傑作機になれるか】
 航空機の歴史を見ますと、当初はトラブル満載だったけど、最終的には傑作機になった機体は沢山あります。
 ボーイング787も、その傑作機の一機になれば良いのですが。


PS 
14日の読売新聞を読むと、大丈夫と書いてあった。


 しかし理由がまずい。
 漏れた燃料は外にエンジンから離れているから。
 4系とあるブレーキの一つだから。
 5層あるガラスの1枚だから。


 鳥や石がぶつかって割れるなら、大きな問題じゃないけど。
 それ以外の原因で割れるのはまずい。
 笹子トンネル事故のように、1か所の破損が原因で連鎖する可能性があるためだ。


 現在の事故は単発だけど、
 小さい事故+潜在的な危険性=大事故
 となるので、小さい事故といっても油断できない。


 現状だと、原因が不明なので、安心とも言えず、不安というは当然だろう。