製造業の振興が明確に必要な都道府県 〜県際収支で考える地域振興と日本経済再生

 日本全体で見た場合、製造業中心で進むのは微妙ですが、都道府県単位で見た場合、明確に製造業を強化しないといけない地域があります。
 製造業の振興が必要な都道府県は、北海道、青森、秋田、鳥取、島根、高知、長崎、熊本、鹿児島、宮崎、沖縄の11道県です。
 これら11道県の地域の問題は、製造業の不足です。


 では、なぜ、この道県が明確に、製造業振興が必要なのでしょうか?
 それは、県際収支が大幅にマイナスなためです。
 具体的には、地域生産に対して、5%以上の赤字です。


【県際収支】
 国家間のものやサービスの収支を表す国際収支があるように、地域には地域間のものやサービスの収支を表す域際収支というものがあります。


 早い話が、地域収支が大幅にマイナスの地域はお金が地域からどんどん流失していて地域です。
 つまり、金欠の地域


 さて、収支を改善するには、どうしたら良いでしょうか?
 ①消費を減らし、人口を減らし、輸入を減らすか、②輸出を増やすなどがあります。
 観光もあるのですが、ものを売る金額に比べれば、少ないので、製造業を進行して、地域外輸出を増やすのが一番です。
(奈良や埼玉、千葉は東京、大阪への通勤でお金を稼げる)


 日本政府は、非常に困難ですが、これら11道県の製造業振興を中心的に行うべきでしょう。


【どうするの?】
 間違っても、人件費の安さを武器にしてはいけません。そんなのでは韓国、台湾、中国、インドなどに勝てませんから。
 ハイテク中心です。
 製造業の誘致と書きましたが、研究所や設計開発・ソフトウェアの開発でもOKです。
 

 そのためには、人材育成が重要ですので、国の研究所や国立大学などを積極的に、これらの地域に移転する、既にある研究機関を強化するのが、第一歩です。
(11道県の授業料を安くして、学生を誘導するのも手です)
 京(スーパーコンピュータ)は、神戸に設置されましたが、冷却や土地の安さ、産業振興を考えますと、北海道に置くべきだったでしょう。


 そして、特区制度などで、地道に誘致活動を行うのが一番です。
 大学・研究機関の優遇に、10年で2兆円、特区とそこへの補助金に10年で2兆円。
 これくらいあれば、そのお金だけで、少しは地方の景気は良くなります。
 土木よりか、よっぽど効果があります。


 駄目ですか、自民党さん、安倍さん。


【他の効果】
 収支がマイナスのこれらの地域が、それなりに活動できているのは、国からの補助金・お金の移転があるためです。具体的には、公共工事であり、生活保護ですね。
 国の財政の悪化の原因の一つです。
 こららの地域の地域収支が改善すれば、それだけで財政は改善します。


【他の地域 消費刺激が一番難しい】
 11道県の地域の問題は、製造業の不足です。
 では、他の地域は何が問題なのでしょうか。
 他の地域は、お金がないわけでありません。
 お金の流通が滞っているのです。
 企業や家計による過剰貯蓄です。
 特にひどいのが、愛知や静岡、福井、北関東などの製造業が盛んな地域です。
 これらの地域は、もっと商業・サービス業が盛んになっても良いのですが、どうにもパッとしません。
(名古屋や静岡の繁華街は大きくなりもっともっと繁盛しても良い)
 この地域の人がもっとお金を使ってくれれば、日本全体のためにも良いのですが。


 実のところ、消費刺激が一番難しい。

 最大の消費は、子供なので、少子化対策でしょうか。
 それ以外としては、香川は、丸亀商店街の再生により、消費自体が大幅に増えましたので、消費を刺激するような、都市再生策が良いかもしれません。
 北関東も、ロードサイドの大型店は繁栄していますが、都市部は商店はパットしないので。


PS
 生産・供給サイドは、労働力・資本(設備)・生産性であげられるのですが、需要・消費サイドを上げるのは容易ではありません。
 公共需要は赤字で難しい、企業投資は設備過剰。 個人消費頼みですが・・・・みんな貯蓄好きなので。