戦略と戦術の違い 〜戦略、戦術は身近なもの

 正直に言いますと、人によって微妙に違ったりします。
 単語として非常にあいまいです。
 辞書で調べても判らないでしょう。実用的ではありません。職場で重要なのは実用性です。
 

 そのため、仕事場では、ざっくり定義を定めて言葉を使うのが効果的です。
 つまり、社内用語として定義してしまえばいいのです。


【背景】
 組織にしろ、個人にしろ。
 何をどうするが決まっていないと行動できません。
 基本的に、①何を②どうするを、前後に切っただけです。
 ①が戦略、②が戦術です。


【戦略と戦術の違い】
 戦略=何をするかを決める
(WHAT TO DOを決める)。 
 ・逆説的には、何をしないかを決めるのもそうですね。
 戦術=どうするかを決める
(HOW TO DOを決める)。
 ・どう実現するかの方法を決める。


 他にも、よりシンプルにして以下のようにするのもありです。

 戦略=何をするかを決める
(WHAT を決める)。 
 戦術=どうするかを決める
(HOW を決める)。
 ・方法を決める。


【例1】

 休日に何をするかは、戦略になります。
 寝て過ごす、映画に行く、京都旅行に行くなど、何をするかを決めると戦略です。


 京都旅行に行くが戦略だとしますと。
 バスで行くか、新幹線で行くかなど、どう行くかが、戦術になります。


 どの寺を見るかか、どこのレストランで食事をするかなど、
 京都で何をするかを考えるのは、戦略だと言えます。
 どの順序で、どうのような手段で周るか、方法を考えると戦術になります。


【例2】
 合コンに行って、どの女子をくどくは戦略。
 どうくどくは、戦術と言えます。
 特にハイレベルなものは、高等戦術(?)と言われます。


 また、その日のうちに、どこまで行くかは、短期戦略となるでしょう。


 実のところ、これでも曖昧ですが、そこはあきらめましょう。
(基本的に、両方DOが入っているので、綺麗に分割するのは困難です)


 一人しか居ない会社は、自分で何をするかを決め、どうするかを決めます。
 自分で戦略、戦術を決めるわけです。


 大企業ですと、経営者など上の人が何をするかを決めて(経営戦略)、中間管理職など下の人が実現方法を決めたりします(戦術を決める)。
 駄目な企業ですと、実現方法が不明なことを設定したりします。
 この場合、経営戦略がないのではなく、経営戦略の質が悪いのです。


 売上10%UPなど、目標を決めることは戦略でしょうか?
 戦略と言えば戦略と言えます。
 しかし、目標を決めてはいますが、何をするかは決めていません。
 そのため、戦略としては、不完全・不明瞭と言えます。


 戦略は経営者だけが考えるものではありません。


【なんで判り辛いのか?】
 それは、手段は目的化が可能なためです。
 手段は目的化が可能であるため、手段と目的が曖昧になるのです。
 目的な何なのか、最初に明確にしないと容易に途中で、合体し、そして、本末転倒になる場合があります。


【製造業の世界】
 製造業の世界では、どう作るかよりも、何を作るかが、富を生むうえで重要になってきています。


 戦略性がより重要になってきたわけです。
 そして、戦略があまり得意じゃないのが、日本企業ですね。


 阪神大震災の時のように、「DO」だけが問題になるときは、日本は強いのですが。
 何をするかになると、途端に混乱を始めます。


【戦略が決まっていないと非常に仕事がやりにくい】
 やるべきことが何か、決まっていない訳ですから。
 とうぜん、仕事がやり辛い。
 何をやって良いかわからない。



【戦略が間違っていると酷い目に会う】
 やるべきことが何を、根本的に間違えているわけですから、酷い目に会います。


 会社ですと、製品はできたけど、全然売れないと言うことになります。