大王製紙とオリンパスの不正で考える 〜会社は誰のものか?

 2005年頃、ライブドアニッポン放送買収関連で、「会社は誰のものか?」という議論があったのですが...


 その時、あまり話されなかったのが、企業統治との関係。
 企業統治と「会社は誰のものか?」なんて、関係ないじゃないと言われそうですが...


 いくらか、関係があります。
 判り易く言いますと、駄目社長を誰が変えるか?と言うことです。


【現状】

 
 現状では、株主とその代理人が社長を変えることが出来ます。
 制度的には、従業員はできません。


 もし仮に、会社が従業員の物であり、経営者が株主の意向を無視して良いということになったら...
 誰がダメ経営者を代えることができるのでしょうか?


 誰もできません。
 株主への対抗手段として、会社は従業員の物なんて、主張する経営者がいますが...
 そして、それを支持するサラリーマンが居ますが...


 経営者の暴走に対して、何も考えていないと言えます。


アメリカ】
 アメリカにおいて、株主中心が推進された理由の一つとして、統治の問題があります。
 アメリカはかなり経営者が強く。
 経営者による不正が相次ぎました。
 経営者による不正に対抗する理論?の1つして、「会社は株主の物」というの強くなったようです。


 「会社は株主の物」であり、「経営者の物」ではないぞ!!
 経営者、勝手なことするなよという訳です。


【ドイツ】
 ドイツでは、会社の監査役会は、株主の利益を代表する監査役と従業員の利益を代表する監査役から構成されるそうです。
 会社は従業員の物というのであれば、これくらいじゃないと...


 と思うんですが、御用組合である日本では、ドイツの制度を入れても焼け石に水かな。


オリンパス
 典型的な経営者の暴走ですが...
 ちゃんとチェックしていない株主も酷い。


 会社経営を知らない素人が持っているわけではない。
 投資のプロだ。
 でも、しょせん投資しているだけで、経営のチェックはしていないと言うことか?


 社外取締役の人で、株式の代表らしき人は誰なのだろうか?
 元日経記者と野村証券の人なのだろうか?
 この辺がいまいち、まだ良く判っていない。
 単に、マスコミ対策と株主対策の様な気もしなくもない。
 

大株主上位10社

No. 株主名 株式数

(千株)
持株比率

(%)
1 日本生命保険相互会社 22,426 8.26
2 株式会社三菱東京UFJ銀行 13,286 4.89
3 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 12,875 4.74
4 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 12,036 4.43
5 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社

住友信託銀行再信託分・株式会社三井住友銀行退職給付信託口)
9,004 3.31
6 ステート ストリート バンク アンド トラストカンパニー 505223 8,772 3.23
7 株式会社三井住友銀行 8,350 3.07
8 ステート ストリート バンク アンド トラストカンパニー 7,622 2.80
9 テルモ株式会社 6,811 2.51
10 ガバメント オブ シンガポール インベストメント コーポレーション ピー リミテッド 5,790 2.13

2011年3月31日現在

出典オリンパスのHP
http://www.olympus.co.jp/jp/corc/ir/stock/information/


 個人的には、日本生命UFJの人たちに聞いてみたいものです。
 ただ単に、投資として所有しているだけなのか、
 経営のチェックをして、株式の価値を上げる気があるのだろうか?


 事件発覚後、日本生命は大量の売却したようですが...インサイダーなんてことはないよな...



大王製紙
 創業家一族が100%所有しているならともかく、共同所有なので、一部の株主の横暴な振る舞いは、問題がある。
(一部の株主にだけ、特別に多くの配当をするようなもんだ)