ニッポンのミカタを見た。
この手の番組を見ると、いつも農家数が減ることが悪いように言われる。
しかし、減少することは、本当に悪いことなのだろうか?
その一方で、農家の大規模化が進んでいます。
出典:農業構造の展望
多くの番組は、この点は指摘しません。
なぜでしょうか。
農家の減少=悪という考えを、壊してしまう恐れがあるわけです。番組のテーマに合わないんですね。
農地の面積は有限ですので、限界があります。
そのため、農家の大規模化を進めるためには、農業を諦める人がいないと駄目なんですね。つまり、農家数が減らないと駄目なんです。
離農者の農地が、既存農家の農地、新規参入者の農地になるのであれば、農家数が減ること=悪いとは限りません。
グラフを見ますと、主業農家の面積の伸び率が高いですね。平成7年から21年の14年間で、1.6倍面積が増加しています。
よくテレビに出てくる儲かっている農家の人は、大規模農家さんです。
対して、それ以外の農家の伸び率は高くありません。要するに、昔の兼業農家。農家が副業の農家です。そして、農業があまりもうかっていない農家です。
耕地面積自身が減っています。耕作放棄地が増えています。
本当の問題は、農家数の減少ではなく、離農者の農地が、既存農家の農地、新規参入者の農地になっていない点かもしれない。
なぜ、既存農家の農地、新規参入者の農地にならないのか。
山間地など、農業が難しい面もあります。
それ以外にも、なかなか問題もあります。
土地を手放すのを嫌がるんですね。あと、価格も高いですし。
あと、借りる場合のお金も高い。
離農した人の土地を残った人が活用できるようにすることが重要ですが、現在の農業政策の大半は、あまりその辺には力を入れていません。
以前よりましですが。
農道を作ったり、土地改良には大量のお金が使われるのですが、大型化や大作人(小作人の逆)を作る努力はまだまだでしょうか。
耕作放棄地の税金を思いっきり高くする、貸した場合は安くするなどの思い切った手が必要だと思います。
【農政は】
役人の方は、農家数の減少=悪いことと考えています。そのため、減少を阻止しようとしています。
一方、大型化も進めています。
一言で言うと、チグハグです。
政治家は、選挙目的で動くので、農家数の減少=悪いことと考えています。
農地を子や孫に引き継ぐのは、素晴らしい話のような気がします。
しかし、子や孫ではなく、近所の人ややる気がある人に引き継ぐのは、駄目なのでしょうか?
考え方を変えるのは、なかなか難しいでしょうね。
上記のようなことを書きますと、「お前は現場を判っていない」と言われます。
確かにそうでしょう。でも、現場の人は、おうおうにして、全体や将来像が見えなくなるものです。