テレビで出て来るTPP反対派のデータはだいたい胡散臭い。
(賛成派も胡散臭いけど)
そんなこともあり、以前、アマゾンでもってコメの価格を比較しました。
TPPで日本の農業壊滅? 〜アメリカの米の価格をアマゾンで比較してみる
http://d.hatena.ne.jp/creativeability/20111026/1319649843
結論から言いますと、在米日本人が食べている米の値段は1キロ200円〜300円台とかなり高く。日本に持ってきた場合、日本産よりすこし安いくらい。
最悪高くなる。
1割価格の低下、出荷量1割低下で、合計2割くらい出荷額が減るでしょうが、壊滅には程遠いと思われます。
【日本の農業の全体像】
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/aguri/nougyou-2.html
日本の農業は、米が中心と思われがちですが、現在の日本では、1位と2位が畜産と野菜です。
3位が米です。
【コメ農家の実像】
コメの出荷額は、年間1兆8千億円
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/index.html
対して、米農家の数は2010年には約115万9千戸です。
http://www.komenet.jp/faq/sc36.html
コメ農家一戸あたりの出荷額は、150万円となります。
手取りいくらだよと突っ込みたい金額です。
さらに細かく見ると・・・
チキリンさんのHPによりますと
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090827#20090827f1
100万戸が農業による手取りが4万円以下。
コメ農家辞めても、この人たちは、生活殆ど困らない。
【野菜の関税率】
さて、米よりも出荷額が大きい野菜はどうなんでしょう。
http://www.hs-find.ath.cx/hscode/tariff/tariff_list1.htm
ジャガイモとかトマトとか5%。
たまねぎ10%です。
野菜の関税率は、3%〜20%などです。
野菜の関税は、既に大幅に低いものとなっています。
関税0%にしても、物流コストがあるので店頭で下がる価格は1%〜10%程度。
米よりも野菜が主役なのに、あまり話題になりません。
所詮、感情論イデオロギー論なんでしょう。
【畜産と砂糖】
畜産と砂糖の競争力は微妙。
ただし、アメリカ側は、一見、畜産の自由化を推進しているようですが・・・・・
アメリカの畜産農家は、オーストラリアやニュージーランドよりも、強いとは言い切れません。
砂糖の値段に関しても、アメリカの砂糖は国際的にみて安くない。
カナダとかの倍でしょうか。
そのため、価格の安いコーンシロップをコカコーラなどは使っていたりします。
一部は、自由化したくないのが正直なところ。
そのため、聖域なき関税自由化なんて、アメリカ側も望んでいるかすら怪しい。
【交渉戦術か?】
ハッキリ言って、現状の日本人の嗜好を考えますと、コメはある程度大丈夫です。
コメを前面に出して、最終的にはコメを譲歩して、他のものを得る。
交渉戦術なのでしょうか?
【TPPは既に存在している】
TPPは、既にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの間で存在しています。
現在の話は、参加国の拡大と言う拡張なんですね。
多少は改変されるでしょうけど、拡張なので、正体不明なんてことはないのですが・・・・