オスプレイに関して、いくつか良くある勘違いがあります。
2つあるエンジンの一つが止まると落ちるというものです。
オスプレイには、羽の中にシャフトがあり、片方のエンジンが止まっても、もう一方のエンジンで飛び続けます。
オスプレイは、飛行機の長所とヘリの長所をもった面白い機体です。
ヘリよりも、多くの荷物を詰めて、早く、遠くに飛べて、滞空時間も長い。
そして、飛行機にはできない垂直離着陸が出来る。
その一方で、ヘリとしても飛行機としても、中途半端というちょっと危ない面もあります。
【飛行機として中途半端】
羽が小さい。
そのため、高速時は問題ないですが、低速では揚力が小さくて、失速する可能性が高い。
通常の航空機のように、低速でグライダーのように飛行するのは、なかなか難しいような気がする。
このことは、エンジン停止時や着陸時の難しさは意味している。
風速、10メートルの追い風でも、空気のに対する相対速度は36キロ落ちる。
追い風で墜落したのは、たまたまなのだろうか?
【ヘリにしては中途半端】
ローターがヘリにしては小さい。
エンジンを2個積んだとしても、停止の恐怖はある。そのため、最後の最後、最低限の安全装置として、ローターによる落下速度の減速(オートローテーション)があります。
竹とんぼをうまく落下させると、ストンと落ちずに、回転しながらゆっくり落ちます。
ヘリにも、どうような仕組みがあります。
オスプレイは、ローターが小さいので、あまり有効ではないでしょう。
そのためにも、羽の中にシャフトを通して、ぜったい回転が止まらないようにしているのでしょう。
【オスプレイの問題点は?】
オスプレイの問題点は、飛行機モード時ではなく、ほとんどヘリモードの時や変形時に集中している。
言葉を変えると、離発着時に集中しているとも考えられる。
【事故率】
さて、事故率の話。
この事故率は、10万時間あたりでの事故率となっています。
オスプレイは飛行機モードになることにより、より長時間飛べるようになっています。
運用時間・飛行時間のほとんどは、飛行機モードなわけです。
離発着はヘリモードで行われます。また、その前後には、変形モードがあります。
住民にとって重要なこと・問題になるのは、変形・ヘリモードでの離発着の安全性です。
飛行機モードで海の上を飛んでいる時間は、あまり重要ではないでしょう。
基本的に、飛行機モードの方が、ヘリよりも安全だと思われます。
つまり、事故率は、飛行機モードにより薄められた事故率である可能性あります。
軍人にとって重要な点は、トータルでの安全性です。
そのため、軍人には意味があります。
対して、住民にとって重要な点は、住宅地側を通る離発着時の安全性です。
この数値は、住民にはあまり意味がありません。
求めているのが違うのに、一つの指数で良いのかという疑問があります。
住民を安心させるためには、離発着回数を母数、離発着時の事故を分子にした事故率が必要だと思われます。
このようなデータを当然米軍は持っているはずです。