ハンガーゲーム:バトルロワイヤルを期待してはいけない ネタバレレビュー

 ネタバレあり。

アメリカで驚異の2,000万部以上のベストセラーとなった、スーザン・コリンズの小説を基に映画化したサバイバル・スリラー。独裁国家となったアメリカで実施される、プレイヤーたちが一人になるまで殺し合うゲームの出場者となった少女が、決死の戦いに臨む姿をスリリングに活写する。

 当初、「バトルロワイヤル」か「バトルランナー」みたいなものかと、思ったのですが、微妙に違う。
 最初、デスゲームに選ばれた人たちは、悲壮感バリバリだけど、
 贅沢な生活と、観客の歓声・期待を受けて、テンションが上がっていく感じだ。


 感覚的には、ローマ時代の剣闘士でしょうか?
 剣闘士は奴隷が多いんだけど、勝ち残っていけば、英雄になるし、自由になる場合もある。

 参加者の扱いは、そんな感じだ。参加者は、戸惑いながらも流れに流されていく。


 デスゲームの会場は、完全にゲーム管理者に管理されている。
 しかも、どうもドームの中みたいだ。
 まさに、ローマのコロシアムでの死合いの世界。
 (人殺しのショー化、英雄化という点ではデスレース2000に近いものがある)


 後半になり、デスゲームが始まると、さらに雰囲気が変わる。
 恋愛要素が大きくなっていく。
 グロ要素は、ほとんどない。
 裏切りが、ガンガン出るかと思ったけど、それもない。
 実は全然、ダークではない映画。


 体制崩壊とか、バトルランナー的なものを望んだ人には、肩透かしだろうけど。
 最後のエンディングは、完全なハッピーエンド。


 ハッキリ言って、YAHOOでの評価かは低い。
 バトルロワイヤル的なものを期待したためだろう。
 だが、これは、そういうものではない。まったく、別の作品だ。
 個人的には、バトルロワイヤルよりも、バトルランナーやデスレースの雰囲気の方が近いような気がする。
(生き残りゲーム自身は、バトルロワイヤルが史上初ではない)


 また、現在、アメリカでは、「リアリティー・ショー」と言われる視聴者参加スタイルが受けている。さらに「サバイバー」など、デスゲームじゃないけど、参加者同士が足を引っ張り合い、最後まで残った人が多額の賞金を得るゲームが人気がある。


 要するにこの映画は、脱落=死にしているだけで、実際は「サバイバー」に近い。


 なぜ、この映画は、アメリカでヒットしたのだろうか?
 原作人気もあるけど。
 意外と、恋人同士、女性同士でも見に行ける映画のような気がする。
 だから、ヒットしたのではないでしょうか。

PS
 演出なのでしょうが、カメラの手振れが酷い。
 また、ピンとも外れていたり。
 前方の座席に座ると、意外と気持ち悪くなりそう。


PS2
 ちなみに、バトルロワイヤルは、スティーブンキングの「死のロングウォーク」に影響を受けているそうです。
 そして、「バトルランナー」も、スティーブンキングの作品。
 スティーブンキング、凄いな。