事業売却の難しさ

 大企業が傾きだしますと、子会社などを売り始めます。
 利益を出している子会社は高く、利益を出していないところは譲渡です。


 しかし、ここで奇妙なことが起きます。
 残ったところ(本体)に、何の意味があるかという点です。


 本体が、利益を出していればいいのですが、日本の企業は事業の再編成のタイミングが遅いので、本来が利益が出なくなってからリストラになることが多いです。
 

 売却した利益を出している子会社よりも、残った本体の方が利益率が低く、成長性が低い場合が良くあります。


 PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
で言いますと、本体が負け犬です。
 これでは上手くいきません。
(PPMは事業に使う場合と製品に使う場合があります)

 そうなってしまいますと、規模は大きいけど、負け犬だけが残って、どうするの?の世界です。

 じゃあ、本体が負け犬の場合、どうするのか?
①立て直す
②本業を変える

悲しいかなぐらいしかありません。
簡単に①が出来たら苦労しませんし、
②も難しいです。しかし、やらないといけない世界です。

 ソニーの場合、金融・映画が儲けていて、本体のエレクトロニクスのテレビが赤字です。ゲームは黒字だったかな?
 そして、スマートフォンは、インパクトが弱いです。Xperiaと聞いて、ソニーとなかなか出てこないでしょう(いっそ、Walkmanにしたら)。
 サムスンのGalaxyの方が存在感が大きいですね。


 花形事業に居る従業員から見れば、重くて足引っ張りの本体から分離で来て、嬉しいということも多いのですが・・・・

 
 発想の転換が必要です。
 規模がでかい=本体ではなく、大きくても「負け犬」と判断されれば売却することが必要です。


 東芝のテレビ事業は展開が早かったです。
 東芝はテレビ事業をやっていますが、企画などをやって、実質ブランド名をくっつけているだけで、中身は別会社が製造したものです。
 ソニーのテレビ部門も実質そうなるでしょう。


 アップルも、ソフトだけが自社でハードは完全に外部なので、今の時代、それで良いのかもしれません。
 もっとも、アップルらしさは、ソフトウェアと仕様の拘りで出しますが・・・ソニーらしさをどう出すのか?


 ソニー(日本メーカー)は、やっぱり、部品で出すべきだと思うのですが・・・化学部門とか部品部門、縮小・売却しているので、何をしたいのか不明と言えなくもない。