大阪市営の地下鉄とバスの分離は妥当なのだろうか?

 バス運転手の給与を下げるのは、判るのですが・・・・
(たぶん給与を下げれば多くの路線が黒字でしょう)
 大阪市営の地下鉄とバスの分離は妥当なのだろうか?


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120229-OYT1T00589.htm
http://jin115.com/archives/51852536.html

赤字が続く大阪市のバス事業で、橋下徹市長が地下鉄事業からの赤字補填を打ち切ったため、4月時点で約30億円の資金不足に陥ることがわかった。

 このままでは同月以降、バス運転手ら約900人の給与や早期退職者約120人への退職金が不払いとなる可能性もある。交通局は回避策として、異例となる民間銀行からの緊急借り入れを検討しており、29日午後、橋下市長と協議する。

 交通局によると、バス事業は2010年度、単年度黒字の地下鉄事業から約30億円、一般会計から約24億円を繰り入れたが、15億円以上の赤字を計上、累積赤字は604億円と過去最悪を更新した。139路線のうち、黒字は3路線のみで、繰入金なしで事業運営するのは困難な状態だ。

 しかし、地下鉄とバスの完全分離を掲げる橋下市長は昨年12月の就任後、地下鉄事業からの赤字補填の中止を指示。11年度も約30億円を繰り入れる予定だったが、今年3月までの約8億円分がストップした。

 3月分までの給与は剰余金を充てて不払いを回避できる見込みだが、4月には資金不足になり、月額約10億円の給与などと、今年度分の退職金約20億円の支給にめどが立たないという。

読売のHPの記事とは違いますが、紙媒体の内容は上記のようだったような気がします。


気になるのは、

地下鉄とバスの完全分離を掲げる橋下市長

という部分。


【バスと地下鉄・鉄道の関係】
 大阪中心部ではあまり関係ありませんが・・・
 バスは、地下鉄・鉄道に人を集める装置です。
 バスが弱体化した場合、地下鉄や鉄道の利用者が減る可能性があります。
 そのため、バスと地下鉄の連携が重要になります。
 重要な連携の1つが乗り継ぎ割引です。


【大阪の優れた点 乗り継ぎ割引】
 大阪の地下鉄やバスは初乗り200円と、都営に比べると高いのですが、乗り継ぎ割引が充実しています。
(都営はないです。昔あったようですが・・・・)
 なんと、100円割引されます。


 簡単に言いますと、
 バス(200円)→地下鉄(200円)→バス(200円)
 と乗り継いだ場合、単純合計ですと600円です。


 しかし、乗り継ぎ割引が100円ありますので、2回乗り継ぎ分で200円割引なり、400円で済みます。


 割引の無い都営は、バス(160円)→地下鉄(160円)→バス(160円)で合計480円となります。
(まぁ、都心ではこんな利用者は少数ですが。東京の場合、営団と都の関係のほうが問題でしょうか)


 乗り継ぎ割引制度があるところは多いですが、100円割り引くところは少ないです。
(大阪以外あるのでしょうか)
 仙台は40円、京都60円、札幌は80円でしょうか?


 あと、どうも制度的に判らないのですが、
 札幌の場合、
 バス(200円)→地下鉄(200円)→バス(200円)
 となった場合、どう割引なるかハッキリしません。1回しか割引されない可能性が高いです。


 また、大阪の場合、バス(200円)→バス(200円)でも100円割引されます。合計300円。
 非常に良く出来た利用者にありがたいシステムです。
 札幌の場合、バスからバスはありません。


【分離には、一工夫いると思います】
 札幌は、バスを分離にして、民間委託にしました。
 乗り継ぎ割引制度は維持されたのですが、基本的に大阪ほど便利じゃありません。


 大阪が分離する際、割引制度をちゃんと維持できるかが重要です。


 都の真似をして、割引制度廃止というのは出来れば避けてほしい話です。
(初乗りを150円まで下げれば、割引は必要ありませんが)