土地が高いから、着陸料など、理由がありますが・・・・
着陸料が本当に原因なのでしょうか?
乗っている人数にもよりもますが、一人当たりでは、千円前後です。
空港施設使用料+着陸料で比較しますと、主要空港の場合、海外とそんなに変わりません。
(地方空港の場合、自治体からの補助金により大きく変わりますが・・・)
私たちが感じている高い感は、+千円レベルではありませんので、着陸料だけでは、ほとんど説明がつかないでしょう。
最大の理由は簡単。
安くする気がないです。
そもそも、なんで航空会社が運賃を安くする必要があるのでしょうか?
航空会社の目的は、利益を出すことです。運賃を安くすることではありません。
例えば、北海道の千歳羽田便。ホテル1日分がついて3万円を切るのが良くあります。2万4千円とかもありますね。
飛行機代いくらだよ。と突っ込みたくなります。
対して、千歳から少し離れた帯広・釧路になりますと途端に値段が上がります。距離的には大して変わらないのですが・・・・
コストがそんなに五千円分も上がるのでしょうか?
多少は上がりますが・・・儲けるためです。
航空会社は、利益を出すために飛んでいます。
そのため、運賃は高いほど良いんです。
基本的には、利用者に見捨てられない上限まで値段を上げようとします。
【値段半分でお客が倍と、値段を倍にして客半分どっちが良いか】
例えばのざっくりした話です。
お客様が200人乗って、運賃一万円の便があったとします。一回二百万円の売り上げです。・・・①
運賃を半分にして五千円、お客さんが倍の四百人になったとしましょう。必要な飛行機も倍の大きさになります。
しかし、売上は二百万円です・・・・②
運賃を倍にして二万円、お客さんが半分の百人になったとしましょう。必要な飛行機も半分の大きさになります。
しかし、売上は二百万円です・・・・③
売上が同じ二百万円ですが、経費が違います。飛行機が半分になれば、燃料も飛行機代も、人件費も半分近くになります。
もうかる順は、③>①>②です。
航空会社としては、③をやりたいのですが、①や②を行うライバル会社がいますと、③のビジネスは成り立ちません。
または、航空機のライバルは同じ航空会社だけではなく、鉄道もライバルになります。
日本は寡占状態ですし、鉄道の運賃が高いので、結果的に、国内線も高値で維持できます。
例えば、航空会社、鉄道、バスなど、ライバルが完全に居ない路線の運賃は非常に高額です。
青森・千歳間は千歳・羽田よりも。那覇・鹿児島間は、那覇・羽田よりも高額です。
こういうことを書きますと、小型機だからという話になりますが・・・海外の格安は小型機中心なんですよね。
【JALの小型機導入】
JALは倒産後、大型機を減らして小型機を増やしました。
そんでもっても、運賃の高いビジネス向けは現状維持で、価格の安い観光客向けの座席数を減らしています。
結果、小型機により経費削減をする一方で、一人当たりの単価は上昇します。
人数が減るので売上も減るのですが、経費削減の効果が大きいので、売上あたりの利益率は大幅に上昇します。
JALのユニットコスト(1座席あたりのコスト)は世界最高レベルですが、上記の経営戦略により、JALの利益率の水準は世界最高レベルです。
世界最高水準の運賃の高さなわけです。
以前は政治家の圧力により無理して中型や大型を導入していた路線なんですけどね。
ある程度の座席数がないと修学旅行とか団体客が無理なんです。
団体ツアーの大型バスは45人席くらいありますからね。 客席数60人みたいな飛行機では団体ツアーは組めません。100人くらいの旅客機で苦しいけど、どうにかですね。一学年は100人を超える修学旅行は小型機では無理です。
【ぼっているのは地方路線】
国内幹線は、競争があるため、無茶な高価格な設定はしません。単純に高コスト体質で価格が高くなるだけです。
問題は、競争がない地方路線です。
利用者数が少ないので、問題視されませんが、地方と地方の人の移動を妨げています。
何年か前、航空会社の人と話しことがあるのですが・・・・地方に住んでいるのが悪いとのことでした。
こんなもんです。
国内の航空会社だけではなく、海外の会社も似たようなものです。
競争の無い路線は、非常に高い物となります。
もっとも、海外はLCCの路線が充実しているので、そんな路線はなかなかなくなりましたが。
日本でも、広島・仙台・福岡・札幌クラスの街は、拠点空港になってもおかしくないのですが・・・
【ぼっている企業は高コスト体質になる】
公務員は独占業務です。この手の組織は、コストを下げる動機が働かずに、高コスト体質になります。
たとえば、東電。
独占企業です。この手の企業も、コストを下げる動機が働かずに、高コスト体質になります。
いったん、高コスト体質になりますと、なかなか低コスト体質になりません。
【低価格化を目的にしたAIRDOはなぜ失敗した】
AIRDO自身が高コスト体質だったのが最大の失敗ですが・・・・
そもそも、千歳・羽田線は、トータル利益は出していましたが、格安チケットが出回っていましたし、そんなに暴利路線ではないためです。
千歳・羽田よりも安いチケットが存在しない、青森・千歳などから就航すれば、良かったのですが・・・・(拠点が羽田なので無理ですが)