北海道新幹線は大失敗する。
理由は簡単だ。
- 価格
- 時間
- 需要
どれも、ダメだから。
1.価格
JRの在来線の料金は、だいたい1座席1キロ18円だ。
仮に東京駅、札幌駅間を1000キロとした場合、運賃は18000円となります。
特急や新幹線ならこれに特急料金などが加わります。
対して、飛行機は高コストのJALやANAですら、距離によりますが1座席1キロ10円。
搭乗率70%程度の場合、1.5倍になりますが。
まぁ、1キロ15円ぐらいに設定できる。
千歳、羽田をざっくり1000キロとした場合、JALなどなら1万5000円で採算がとれる。 料金設定としては1万円〜2万円の設定で利益が出る。
LCCならば、1キロ10円くらいで、7000円から1万4000円という設定になる。
特急料金を抜きにしたとしても、価格競争力はないのだ。
特急料金を足したらなおさら価格競争力はない。
東京駅函館駅の新幹線の駅は通常、22,690円であり、既に函館・東京駅ですら価格競争力がない。 JALやANAは価格競争をする気がないので、航空券が高値ですが。
航空機で羽田から函館に行くよりも、価格競争がある千歳に行く方が安い。
札幌駅に延伸した場合、価格はさらに上昇するので価格競争力は絶望的だ。
▶︎ 勝負の値下げも難しい
勝つために大胆な価格設定をしないといけない。が・・・路線の多くは東日本のため東日本が価格を下げないとダメ。JR北海道だけの努力では絶望的。
西日本が羽田・福岡間の価格競争をしたくても、JR東海の協力を得られないので、値下げができない。結果、羽田・福岡なら航空機が圧勝する。
2.時間。
これに関しては、場所によりますが、若干飛行機の方が有利になる。
飛行機は点から点は早いが荷物とか保安検査とか、空港へのアクセスで時間がかかるので4時間前後でいい勝負になる。
北関東なら新幹線の方が早く。東京・神奈川なら飛行機の方が早い可能性が高い。埼玉は微妙だ。
人口が多い巨大市場である南関東が飛行機に流れるので、北関東の人が流れたところで収支を改善されるほどの大きな需要にはならない。
根本問題として、北海道と北東北の面積の広さと人口の少なさを甘く見ている。
3.需要
需要は致命的だ。
九州の場合、熊本都市圏・鹿児島都市圏と人口70万人以上の都市圏が存在する。
そして、彼らはビジネスや買い物で福岡に行く。
が・・・函館は40万都市圏なので需要が少ない。
青森、八戸も40万や30万。
中距離での需要が期待できない。
何よりも、札幌の広域商圏ではない。
東北の人間は仙台。その次は東京に買い物に行く。
札幌に買い物に行くことはない。需要が致命的に弱いのだ。
つまり、純粋な観光客に限定されるのですが・・・・観光客は交通費に意外と厳しい。
▶︎ビジネス需要
路線によりますが、新幹線の利用者は4割以上がビジネスマン。
ビジネスマンは観光客に比べて、お金を出しますが、北関東や東北と北海道の間でビジネスマンの導線があるか非常に怪しい。
この辺は高速道路とかと同じで日本は、東京と地方の導線は強く需要があるのですが、地方と地方の間の需要は驚くほど少ない。
結局、南関東がメインになるのですが、時間でも運賃でも航空機に勝てないので、取り込みは難しい。
◼️ なぜ、新幹線を作るのか?
前例主義、歪んだ現実主義のためだ。
新幹線は基本失敗していない。大赤字になっていない。
そのため、新幹線=赤字にならない と勝手に決めつけているのだ。
価格競争力や需要がなければ、新幹線だろうと失敗するという点を無視する前例主義だ。
時間が経過して苦労・苦悩した初期のメンバーがいなくなり、成功に乗っかった人たちが中心になった場合、起きる現象だ。
一部の鉄道好きが、失敗ではない成功だと言うだろう。しかし、鉄道好きに収支という概念は非常に弱く、膨大な赤字を出していても成功だという特殊技能があるので非常に困った存在だ。
札幌に行っていないので、札幌まで行けば、多少はお客が増えるでしょうが。コストもその分増加するので収支が改善よりも悪化の可能性が高い。
◼️ 結論
北海道新幹線は大失敗で大赤字を出す。
JR北海道の救世主どころか、大赤字のために、ローカル線を片っ端から廃線にすることになるだろう。