小売の売上高だと、新宿や東京駅・有楽町周辺の方が上だろう。
しかし、人の多さや面積的な広がりという点では、大阪ミナミほど巨大な繁華街は、この地球上に(たぶん)存在しない。
スケール感では世界一・世界最大だろう。
【個性が強い東京の街】
東京には数多くの巨大繁華街がありますが、駅前立地型の繁華街は、徒歩による制約からその範囲が駅から300メートルほどとなる。
吉祥寺・立川・町田あたりが判り易い例でしょうか。
秋葉原もそうですね。
渋谷ですらも、徒歩の制約があり、駅からの半径は意外と小さい。渋谷駅から500メートルほど離れた東急文化村の後ろは完全な住宅街です。
東京は繁華街ごとの個性が強く、個性を持った大きい街が島のように間隔を開けて分布しています。
【圧倒的な連続感のミナミ】
一方、中にはその制約を超えたが超巨大な繁華街が存在します。
駅と駅の距離が短く、繁華街と繁華街が合体して、超巨大な複合型駅前繁華街になるパターンでしょうか。
東京で言うと、新宿、東京駅・有楽町・銀座・日本橋周辺でしょうか。
もっとも、東京駅・有楽町・銀座・日本橋は、1つの巨大な繁華街と言えますが...歩いてみますと若干微妙に切れている感があります。
ところが、ミナミにはその感覚がほとんどない。
まさに、その連続感は圧倒的だ。
おそらく、世界一のスケール。
【バラエティ感】
また、東京駅・有楽町・銀座・日本橋は、それぞれのエリアの街の雰囲気がなんとなく似ている。
それに対して、ミナミは、各エリアに個性がありプチ渋谷とプチ表参道とプチ有楽町とプチ新橋とプチ秋葉原とプチ浅草とプチ上野と多数の商店街を足した感じでしょうか。
それが連続的に合体することにより、超巨大な複合型駅前繁華街となっています。
【低層ビルと徒歩】
街を歩いていて、高層ビルがほとんどない。
1か所にまとめてコンパクトという感じではない。薄く広く伸ばした感じだ。
このことが、繁華街の拡大に一役買っている。
一見、古い感じの街の構造ですが、時代が一周して、今や非常に時代にマッチしている。
東京ではこの感覚は味わえない。
正直、キタは高層ビルが多く、関東の人間にとって、面白味がない。
しかし、ミナミには魅力がある。
神戸・京都にならんで、ミナミは十分観光名所になる。
【惜しいこと】
誉めてばかりですが、惜しい点も多い。
① 惜しいことに、新世界と天王寺との間の連続性が、いまいちない。もし、ここと繋がったら、さらにトンデモナイスケールになでしょう。
②大学がない。
たびたび書いていますが、ほんと悔しいことに大学がない。
③文化・情報発信力。
悲しいかな文化・情報発信力がない。
別に文化がないわけじゃないですが、発信力がない。関東に居るとまず聞かない。
関西のお笑いを見に東京から来る人は居ても。現状、アメリカやヨーロッパ・中国から訪れる人は居ない。
また、京都がまぶしすぎて、ミナミが多少光っても和や伝統では太刀打ちできない。
都市としては、文化創造力で勝負するべきなのでしょうけど...現状はファッションなどイメージでは神戸の方が上でしょうか。あまりにも商都が強すぎる感じがします。
個人的には、首都マドリードに対するバルセロナのような街になってもらいたいものです。