文化軽視の橋下徹氏と大阪の産業振興と韓流 〜街のブランド戦略、西成をソーホーに

 橋下徹氏は、大阪知事時代、文化系に関する予算を大幅に削りました。
 対象や内容を変えるのではなく、行政が文化振興支援をする必要がないという発想です。
 民間活動で十分。
 という考えの様です。
 判ります。役所中心ですと、金が必要以上にかかりますし、ニーズに答えていない可能性が高い。
 また、お笑いは立派な文化です。そして、補助金なしでも運営されています。
 それと同じように考えている節があります。


 しかし、予算を全体削減するのは、いただけない。


【韓流】
 韓国では、政府が芸術・映画・音楽などを支援している。
 アメリカでもヨーロッパでもそうです。


 なぜ韓国政府は支援するのでしょうか。

 それは、①自国のイメージの向上、魅力の向上→②観光客や自国製品を買う人の増加 
 というシナリオを考えているためです。


 韓流ドラマにより、日本から韓国への旅行者は激増しました。
 韓国ドラマが放映された地域の多くで、観光客が増加しています。


 北海道では、中国の映画・ドラマの舞台になったことにより、観光客が増加しました。
 NHKのドラマの舞台になることにより、観光客が増加することは珍しくありません。


【大阪、街のブランド・イメージ戦略の失敗】
 東日本に対して、完全に失敗しているような気がします。


 大阪にも、お洒落な場所があるにも関わらず、大阪=お洒落な場所というイメージはほぼありません。
(もっとも、単純な勝負では東京に勝てませんが・・・・)
 むしろ、20年前、30年前よりイメージが悪化しているような気がします。
 明らかに観光に取って、マイナスです。
 

 お洒落は別としても、「先進性」を感じさせるイメージでもありません。
 若者よりも、オジサン・オバサンが前面に出ており、その点もマイナスになっていると思います。
 名古屋は、名古屋嬢などファッション面でヒットがありましたが、ちかごろ、大阪発というイメージのファッションがありません。
 具体的なアピールをしないとオリジナリティに欠けていると思われる危険性があります。


 中長期的には、人材確保で問題が起きます。


【なぜ、文化創造が重要なのか?】
 理由はいろいろありますが・・・・
 変化することにより、リピーターが期待できる。


 珍しい風景・建物では、一回来て終わり、リピーターが期待できません。
 対して、文化・特に芸術は変化しますので、リピーターが期待できます。


 基本的に、文化を絡めた観光は、リピーター率は高いです。
 最たるものが沖縄ですね。
 沖縄の文化と風景に魅了されたリピーターが続出です。

 
【西成をソーホー・ハーレムに】
 NYのソーホー。今でこそ高級エリアですが、以前は衰退した家賃の安いエリアでした。
 変化をもたらしたのは、 芸術活動に寄るイメージの向上です。
 家賃が安いなどの理由で、芸術家の活動場所になったんですね。
 若手の芸術家はお金がないのは、万国共通ですし・・・・


 この手法は、大阪でも使えるような気がします。


 西成の「あいりん地区」「釜ヶ崎」に若手芸術家を集めましょう。
 補助金を出して、芸術家が安く済めたり、アトリエを安く使えたり、コンサートを安く開けるようにしましょう。


 西成は物価が安いです。
 そして、いろんな意味で刺激があります。 


 何よりも立地が良い。
 天王寺は近いし、ミナミ・キタも地下鉄で一本。
 JRの駅が近いので、広域からの集客も期待できる。


 近年、宿代の安さに注目した外国人宿泊者が増えています。
 このことは、芸術家には刺激になりますし、外国人宿泊者には魅力になります。


 橋下氏はお笑いとのコネクションがあり、大阪はお笑いが強いので、若手芸人の住まいを作り、舞台を置く手もあるでしょう。
 吉本の売れない若手芸人、200人以上を強制移住させ、舞台を作れば、街の雰囲気が変わるでしょう。


【外国タレントのコンサートの誘致を】
 手っ取り早い、観光客の誘致方法です。
 経済効果的には微妙ですが、イメージ向上と再度の来訪が期待できます。


 大阪ドームなんか、空っぽにしないで、大赤字覚悟で値段を下げれば良いと思います。大赤字を出す値下げは民間ではなかなかできない。役所だからできる技です。