イノベーションのジレンマを一見克服しているように見える例

 日本では、同じメーカーがパソコンや大型コンピュータを製造販売しています。イイノベーションのジレンマを一見克服しているように見えるのですが...
 昔のパソコンとNECの大型コンピュータでは、役割や性能があまりにも違うために、企業としては「イノベーションのジレンマ」に陥っては居ません(1970年代・80年代の段階で、パソコンの売上が上がると大型コンピュータの売上が下がると言うジレンマには陥っていません)。
 90年代・2000年代は、ジレンマに、はまりまくりました。UNIXが大型機の性能に迫り、90年代後半はパソコン(のクラスター?)がUNIXや大型機に性能で迫りました。収益性の低いUNIXを売ると、大型機が売れないというジレンマに、IBMもNECも、富士通もドップリはまりましたね。
 イノベーションのジレンマは、A社が商品Bで利益を出しているのに、収益性が商品Bよりも低い新商品Cを出すことにより、会社全体の利益が減少する場合におきます(厳密な説明ではありません)。
 電子出版の場合、印刷手数料が取れなくなる印刷会社が出したら、イノベーションのジレンマの克服ですが、家電メーカーや出版社はジレンマに陥っていないので、事例としては好ましくありません。
 
PS
 イノベーションのジレンマとイノベータのジレンマは同じようです。
 元々の本の題名が「イノベータのジレンマ」ですが、邦題が「イノベーションのジレンマ」になっているみたいです。日本では「イノベーションのジレンマ」の方が多いかな。