北総線 交通コストの重要性と都市構造に現れる影響 スカイライナーは救世主になるか

 この地図の市街地の部分布を見ますと...

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 右下の部分、江戸川を越えあたりで、妙に緑が多くないでしょうか?
 なぜでしょうか。鉄道が通っていないのでしょうか?
 実は、北総線が通っています。


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 筑波エキスプレスより前に、建設されたにも関わらず、沿線の開発が進んでいません。なぜでしょうか?
 理由は簡単です。鉄道運賃が異常に高いんです。

【価格】
会社名 距離 運賃(円)
北総線 - 9km 440
JR 7から10 190円
つくば 8 - 9     280
具体的に、JR松戸駅と、松戸駅の南になる北総線北国分駅を比較してみましょう。
松戸駅から東京駅へ  380円
北国分駅から東京駅へ 670円
北国分駅から日本橋駅へ 660円
【いまなぜ北総線なのか】
 スカイライナーが登場するためです。
 スカイライナーは、最高時速160キロと在来線日本最速になる予定です。これにより、東京・日暮里と成田空港第2ビル駅間を特急で最短36分となります。筑波エキスプレスのように、高速の快速も期待されます、低価格化であれば、今までにないほど遠距離通勤が短期間で可能になります。
【影響】
 北国分駅の利用者数は、7000人ほどです。
 東京近郊の沿線開発なら、何でも開発が成功するわけではないですし、鉄道開発の失敗が地域の構造に与える影響を如実に表していると言えます。
 大阪の地位が相対的に低下した理由の1つに後背地の開発余力のなさが上げられます。東京の西部へ、神奈川方面への発展は、空間的に限界に近づいています。一方、成田方面はまだまだ、空間的な拡張性があります。もし現状のように、成田方面への土地利用が進まない場合、東京経済が停滞する可能性があります。
 北総線の価格の高さは、成田方面への土地利用が進まない原因の最大要因ですので、この開発の影響は、将来日本経済に影響を与える可能性があります。
 オーバーに聞こえるかもしれませんが、既に、吉祥寺・立川などの東京西部に比べて、東部がパッとしない原因になっています。
【対策】
 正直言って、選択肢は「不便で赤字」「便利で赤字」です。さらに、「不便で赤字」の場合、長期的にも赤字です。「便利で赤字」の場合、沿線開発により、長期的には黒字になる可能性があります。
 現在、千葉県が価格の低下を求めていますが...千葉、東京、国が(あまり望ましいことではありませんが)税金を投入してでも、負債を凍結・処理して低価格化するべきだと思います。
 自民党さん、民主党さん、どうですか? 沿線住民、千葉県民の選挙票がっぽりですよ。スカイツリーと合わせて、東京東部開発の起爆剤になりますし。
【役人】
 この路線は現在完全な民間ではありません。役人の特徴として、価格をガンガン上げて長期需要を衰退させます(困ったら、税金上げれば良い的な発想です)。民間ですと、下手に値上げしますと長期需要が減って、全然収益が改善しないとなりますが、役人は自分の任期だけ良くすれば良いので、民間みたいに、損して得取れ的な発想はありません。

【参考】
北総線
距離 運賃(円)

  • 3km 200
  • 5km 300
  • 7km 370

- 9km 440

  • 11km 500
  • 14km 570
  • 17km 630
  • 20km 680
  • 23km 730
  • 26km 760

JR
営業キロ 片道運賃
1から3     140円
4から6     180円
7から10 190円 11から15 230円
16から20 320円
21から25 400円

つくばエキスプレス
キロロ程(km) 運賃(円)
1 - 3     160
4 - 5     200
6 - 7     240
8 - 9     280
10 - 11 320
12 - 13 360
14 - 15 400
16 - 18 450
19 - 21 500
22 - 24 550
25 - 27 600