7月4日のヤクルト戦前に、DeNA球団社長と波留コーチが口論したらしい。
詳細は不明ですが記事を読むと以下の様です。
トラブルは4日のヤクルト戦前に起きた。当事者は原因などを話していないが、事態を伝え聞いた球団関係者によれば、池田社長が「今日の試合はどうでしょうか」などと波留コーチに問い掛けたところ、同コーチは「相手があることですから」といった返答をした。これを気のない返答と受け取った池田社長が感情的になり「勝つ気はあるのか」と語気を荒らげたという。これに対し、波留コーチも「勝つためにやっている」などと激高し、口論に発展した。激しく罵倒し合う声は、ベンチ裏に響き渡り、多くの選手やコーチの耳にも届いていた。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130709-1154413.html
4日のヤクルト戦(横浜)の試合前、池田球団社長に「勝てますか?」と聞かれた波留打撃コーチは「勝負だから分からない部分もある」と返答。「勝つ気があるんですか?」という質問に同コーチが「勝つためにやっている」と激高したという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130710-00000050-spnannex-base
細部は記事により違いますね。
そもそも質問した内容が違うレベルです。
>池田社長が「今日の試合はどうでしょうか」などと波留コーチに問い掛けたところ、同コーチは「相手があることですから」といった返答をした。
前後の文脈や状況が抜けていて予測になりますが、
さて、社長さんの質問。どのような答えを望んでいたのでしょうか?
「絶対勝ちます」的な答えなのか。
「結果予測なのか」「相手投手の分析と対策」的な答えを望んでいるか。
「冷静な分析」「詳細な説明」を望んでいるのか。
「社長の気分を良くさせる答え」を望んでいるのか曖昧ですね。
立ち話レベルなのか、部屋での話しかなので不明です。それによって、返答内容も変わりますが、質問のあいまいさから考えると立ち話レベルでしょう。
日頃の付き合いから、暗黙的に部下が察して対処するのでしょうが、なかなか難しいものです。
【打撃コーチ】
>池田社長が「今日の試合はどうでしょうか」などと波留コーチに問い掛けたところ、同コーチは「相手があることですから」といった返答をした。
>池田球団社長に「勝てますか?」と聞かれた波留打撃コーチは「勝負だから分からない部分もある」
そもそも、打撃コーチに勝ち負けを訊ねるなんて、変な話です。
立場上、非常に答えにくい質問です。
まして、打線が打ったとしても、投手が打たれる可能性があります。何と言っても、横浜ですから。
まして、先発投手は須田選手ですから。
須田選手の2012年の成績は、9回1/3で防御率8.68。
そして、今年3回目の登板で初先発。
打線が打ったとしても、投手が火だるまで負ける可能性の方が高い。
では、打撃に対してなら簡単に答えられるかというと、そうではありません。
どんなに対策を立てても打線が打てるかどうか、相手投手のコンディションに左右され、非常に不確定なのは、野球を良く知っていれば判ることです。
ロマンは、2012年は9勝11敗、防御率14位程度のまぁまぁいい投手です。
5月29日オリックス戦は6回1失点と好投。その一方、6月27日DeNA戦は3回2/3、5失点と打っています。
大きな結果の違いはロマンの調子でしょう。
どっちの調子のロマンが来るかなんか、対戦相手に判るわけがありません。
(調子の悪いロマンが来る可能性が高いのですが、悪すぎたら先発回避なので、結局不確定)
その結果、非常に予測は不確定になります。
調子のいいコーチなら絶対打てますなんて答えるでしょうが、
職人気質のコーチなら、不確定で相手依存要素が大きいので、結果予測を求める質問には、相手次第と答えてしまうかもしれません。
結果予測を求める質問は、するだけ、かなり野暮な話です。
じゃあ、「相手投手の分析と対策」的な答えをすれば良いかというと難しい。
ロマンの投球のクセや狙い球、キャッチャーのリードの傾向などを社長に話して、どうなるのだろうか?
「相手投手の分析と対策」というのは、そういうレベルな話なわけで、社長がマニアだと判っていれば、世間話として話すかもしれなけど・・・・・専門的すぎて話すべきか迷うだろう。
そもそも、詳細を知りたければ、ミーティングに出れば良いだけの話。
そっちの方がより多くの重要なことが判る。
社長が現場改善を望むのであれば、そっちに出る方が先だろう。
投手コーチならば、もっと別の答えをしたと思います。
【質問力】
そもそも、質問はなぜするのでしょうか?
適切な情報を相手から引き出すためや相手の考えを知るためです(もちろん、相手の誘導などもあります)。
そのためには、相手の立場を知り、適切な質問をする必要があります。
俺の知りたいことを察して答えろよな的な質問は、
俺を気持ちよくさせるような解答しろよな的な質問は、旧時代な質問の仕方でしょう。
相手から適切な情報を引き出せない場合は、
相手が悪いのではなく「自分の質問の仕方が悪いのでは」と第一に疑うべきです。
お客様に接するときも、部下に接するときもです。