注意:私はドラえもんを昔、何十巻も持っていたドラえもんオタクと呼ばれてもしょうがない人間です(ただし、それほどの知識はありません)。
現在、放送中のトヨタの実写版ドラえもんのCM。
世の中ではインパクトがあるためか、話題になっています。
CMの動画はこちら。http://www.reborn-toyota.jp/
小川直也のジャイアントか、キャスティングは面白いんでだけど...それ以外はかなり私的には微妙というか、嫌なCM。
声が大山さんじゃないので、ターゲットの年齢設定何歳なんだよと突っ込みたくなりますが...
それ以外にも...
なんというか。原作無視、ファン無視ではないだろうか?
嫌いな点は大きく2点。
①原作無視
②メッセージが嫌らしい。
のび太の30歳編。
最後に出て来るメッセージ。
『野比のび太、30歳。やっぱり独身。』
なんででしょうか? これは。
なぜ、やっぱり独身なのだろうか?
原作ファンとしては、のび太はしずかちゃん(少なくともジャイ子)と結婚しているものであり、やっぱり独身という言葉は出てこない。
私の中で最初に出てきたのは、「なぜ独身。しずかちゃんとけっこんしているはずだろ。」である。
26歳?あたりで結婚していたような。
つまり原作をCMの都合に合わせて変えているのだ。
ドラえもんという作品において、しずかちゃんとの結婚は特別な意味合いがある。
そもそも、ドラえもんはジャイ子との結婚を回避して、不幸な未来を変える話なのだ。
作品の根幹に関わる話なのだ。
そのため、しずかちゃんとの恋を描いた話も多い(のび太の結婚前夜が特に名作)。
その辺の設定をいとも簡単に変えるとは、原作軽視も甚だしいのだ。
それに、なぜ、やっぱり独身なのだろうか?
ようするに、トヨタの人間は、のび太のような人間は、独身という考えがあるのだろう。
非常に悪意に満ちた解釈をしてみよう。
トヨタ様の脳では、
のび太→バカ→トヨタの様な大企業には就職できない→低所得→車モテナイ→人間的にもモテナイ→独身
という感じでしょうか?
このCMでは...「車を持っていないのび太=惨めな存在」という風に演出してる。
私は最初、このCMを頑張って好意的に捕えようとした。
のび太・ジャイアンが結婚式の服装をしているので、のび太=独身を、結婚式前の状態と解釈しようとした。
もっとも、この強引な私の解釈は次のCM【のびたのバーベキュー編】で見事に打ち破られる。
トヨタのCMでは、「車を持っていないのび太=惨めな存在」なのだ。
子供ののび太に、将来しずかちゃんとドライブしたいと語らせたにも関わらず、その夢はかなえられない。
「車を持っていないのび太=惨めな存在」というメッセージを出している。
しかも、その惨めさを、
しずかちゃんを乗せると言う夢に対して、
ジャイアンに乗せてもらっている現実という対比構造にして表現している。
のびたのバーベキュー編
そして、しずかちゃんの夢さえもかなえられないのだ。
「車を持っていないのび太=惨めな存在」なのだ。
そして、しずかちゃんもどこか、不幸で不満のような感じだ。
(原作のしずかちゃんなら、間違いなく自分で車を買って運転しているだろう。のび太さんより私の方が運転が上手いと言って絶対のび太に運転させないのではないだろうか?)
そして、ドラえもんにすがる。
原作見てないだろ。
大人ののび太は、ドラえもんにすがったりしない。
お金を持っていなし、車も持っていないかもしれないけど、精神的にちゃんと成長した大人なんだよ。
このCMのドラえもん。なぜか、精神的な成長をしていない。
それにしても、なぜ、幸せな未来を見せないのだろうか?
ドラえもんと暮らしたことにより、のびたの未来は、お金持ちじゃないかもしれないが...幸せな未来のはずだ。
惨めな人生ではない。
【空き地への立ち入り禁止】
ネットの記載を読んで初めて知ったのですが...
最後のシーンで出て来る空き地。
フェンスが張られ、立ち入り禁止なんですね。
子供時代の思い出の場所には、入れない。
子供の時代には戻れないことへの暗喩ですか?
意味深いですが...何か皮肉が利き過ぎです。
【TOYOTAReBORNって何なの】
何言いたいの?
車の楽しさ、車を運転する楽しさ、車のある生活の楽しさを伝えるのではなく、
車を持っていない人間は惨めだと言うことを伝えたいのだろうか?
【私の妄想】
のび太が車を持っていない可能性は高い。
(原作で運転しているかは知らない)
だからと言って不幸だろうか?
しずかちゃんが運転して、隣で赤ん坊をあやしているのび太が居ても良いような気がする。
本来のドラえもんであれば、しずかちゃんに運転してもらい。助手席でのびたが赤ん坊をあやし。
ジャイアンやスネオと共、キャンプを楽しむ。というのが、原作に近い未来ではないだろうか?
そして、キャンプ場でドラえもんを皆で懐かしがる。
なぜ、それじゃ駄目なのだろうか?
確かに、上の話じゃ面白味がないかもしれない。受け狙いにもならない。
しかし、ドラえもんの実写版ということで、それだけで話題性は十分なのだ。
受け狙いである必要はない。
ドラえもんは、のび太のサクセスストーリーではない。大人になっても優秀になったわけではない。
普通の人だ。
だからこそ、良いのですが。
キャラクタをいじった受け狙いだろうか。
多数の人には、面白いと受けが良いかもしれない。
不快感を得るのは少数派のファンだろう。マイノリティだ。しかし、それは深い。
受け狙いの笑いは一瞬だが、
ファンの恨み、不愉快度は、長続きすることを忘れないように。