映画版「モテキ」のレビュー 〜ストーリーのネタバレあり

 恋愛ものは全く見ないのですが、知り合いからの紹介とYAHOOなどのサイトでの評判の良さから見てみました。


 TVや漫画を全く見ていないのですが...楽しめました。

恋がせめてきたッ!これは突然訪れた恋愛下手な男が、恋にエロスに人生に煩悶・妄想・奔走する、そんなお話です。映画『モテキ』大ヒット上映中!

 出典公式サイト。

 間違いではないですが...意外と普通の恋愛ドラマしています。


【前半と後半で違う演出】


 前半は、CGを多用したり、パフュームと踊ったりとハイテンション、妄想系演出で、
 一歩間違えると過剰演出ですが...


 後半は、一気に押えられ、比較普通の恋愛ドラマの様な演出へ。
 そのため、失速と言う人も居ますが...。


 私としては、正解だと思います。全編ハイテンションはただ単に緩急なしになりますので。


【ちゃんと予防線があるストーリー 〜ネタバレ】


 主人公、ヒロイン(26歳くらい?)ともに、二股をかけます。
 主人公は、ヒロインの友達(33歳)と。
 ヒロインは、彼氏と主人公です。しかも、彼氏は既婚者です。


 下手をすると、ドロドロのドラマですが...
 これは、ストーリー上の動機付けが原因だと思われます。


 まず、主人公がモテナイといけません。そして、ヒロインは美人と言う前提条件があります。
 さて、なぜ、ヒロインは主人公と恋に落ちるのか?
 
 
 ここに明確に動機がないといけません。
 その動機のとなるのが、妻ある有能な男性(肉食系)との不倫です。
 非常に浅い解釈ですが、ヒロインは、有能な肉食系男子との倫理上問題のある恋愛に疲れて、対照的な草食系主人公に逃げると言う精神的な構図がありますが...
 
 
 単純に、草食系に逃げきれず二股になる理由として、ヒロインのセリフ。
「私は、○○君とじゃ、成長できない」
 う〜ん、今風です。というか、納得です。
 自分を成長させてくれるという基準が、恋人、友人、学校、職場を選ぶ基準として以前より重くなっている現代において、妙に感心してしまうセリフでした。


【主人公の二股】
 さて、主人公を好きになる動機は出来ました。
 しかし、これは別の問題を発生されます。
 ヒロインの悪女かです。印象が悪くなります。


 そこで、主人公は、ヒロインの友達との二股と言う構造が出てきます。
 毒で持って、毒を制するわけです。
 

 最終的には、ヒロインの友人を捨て、ヒロインに走るのですが...

 さすがに、ヒロインの友人を、そのまま放置すると倫理上問題が発生して、主人公への好感が減るので、
 直後に、ヒロインの友人がリリーフランキーと寝るという予防線を張っています。
 ヒロインの友人が、主人公より年上なのも、予防線と言えます。


 両方酷い感じですが...そこは30歳、大人の恋愛と言うことで、流してしまえます。
 これが十代だったら、別の評価になるかもしれません。


【なぜ、最終的に主人公に走ったのか?】

 
 個人的には、最後の走って追いかけるシーンはなしで、別れたままでも良いかな...と思うのですが、それではハッピーエンディングではないので、最後にヒロインは主人公を受容れます。


 ここで、問題になるのは、なぜ、最終的に主人公に走ったのか?


 再び、浅い解釈ですが...
 原因は、妻を捨て、ヒロインのところに行くと言ったためです。
 妻とヒロインが、男を取りあっているならば良いのですが...ヒロインの心境はそうではありません。


 あくまでも、ヒロインに取って、男は自分を成長させてくれる相手であり、共に悩み、傷つき、共に歩む相手ではなかったのでしょう。
 そのため、妻と男の関係を苦々しく思ってはいるものの、自分の物にするという状況までいかなかったのだと思います。


 また、妻を捨て自分を選んだことにより、将来、自分も捨てられ、自分より若い女性が選ばれるのを予見したのかもしれません。


 潜在的一夫多妻制容認派の女性にとっては、一夫多妻は罪ではなく、妻を捨てることこそが(甲斐性なし)罪になります。


 一方、主人公は、ヒロインとの別れの後、多少なりとも成長したわけです。
 その姿を見て、最終的に、主人公を取ったのでしょうか?


 しかし、その後、直ぐにブラックアウトになったのは...しょうがないと思います。



久保ミツロウさん】
 原作者・久保ミツロウ書き下ろしによる完全オリジナルストーリーで映画化!

 とありますが...
 久保ミツロウさんって、女性なんですね。