TPPと自由診療 〜露骨に間違った知識とレベルの低さ

 私自身、TPPや医療の専門家ではないのですが...どうにも、TPPと自由診療に関して、変な記述が多い。

NEWSポストセブン。
http://www.news-postseven.com/archives/20111102_68453.html

医師が自由に料金を設定できる「自由診療」は、先進医療や美容手術などの場合を除き、厳しく制限されている。


 いちばん変なのは、まるで自由診療が制限されていると勘違いを与える様な記載だ。


 現状においても、自由診療は認められており禁止はされていない。


 自由診療とは保険診療ではない形態の医療ということで、その治療費は全額自己負担となるだけだ。


 別の言い方をすると、医師が自由に料金を設定した場合、保険適用外になり、その治療費は全額自己負担となるだけだ。


 例えば、医療ロボットを使った手術。
 傷跡が小さく、手術時間も短いので、利点も多いのですが...
 国の保険対象外なので、自由診療となり、その治療費は全額自己負担となって、とっても高額です。


 あと、高度なガン治療とかもそうですね。
 国の保険対象外なので、自由診療となり、とっても高額です。


 国の保健医療は、
 国の保険を適用する際、医者や患者が勝手に高額な医療をしたり、請求をすると困るために制限を課しているだけだろう。
 別に国が悪さをしているわけではありません。


アメリカ】
 アメリカの場合は、保険会社の力が強い。
 個人・会社が契約している保険会社との契約内容により、どこまでサービスを受けられるか制限される場合がある。


 国の保険により制約を受けない代わりに、民間の保険会社との契約により、各種制限を受ける場合が多い。

【オーストラリア・ニュージーランド
 以前は1970年代高福祉国家イギリスの影響か。
 国民皆保険制度の国です(カナダはTPP不参加だけど皆保険の国)。日本と制度は違うけど。
 シンガポールも皆保険がある。
 チリにだってある(基本的にラテンアメリカ社会主義・ポビュリズム色が強く社会保障が整備されている)。
 
 
 先進国で、この制度がないのはアメリカくらいなもの。
 日本人は、アメリカの制度=世界標準と考えるけど。


 アメリカの制度=世界標準ではない。


【金持ち専用病院】
 現状においても、金持ち専用病院は存在している。
 既に、お金のある金持ちは、特別な部屋に入院して、手厚い看護を受けている。


【結論】
 TPPに関しては、不確定要素が大きいのは事実。
 その一方で、推進派も否定派も、露骨に変な数値や議論を出している。


 このレベルの低さは何だろうか?


 ちょっと調べれば判る間違いだらけの記事を、何で書くかな。
 そして、それがバンバン広まるのは...何だな。