ネットでは、風力発電でCO2削減という記事がある一方で、
風力発電でCO2が増える、火力発電所が増えるとの記事もあります。
デンマークやスペインの例を出し風車発電で二酸化炭素の排出が増えるとか、
他国に火力発電を押しつけているとの主張が多いですが、どうなんでしょうか?
【火力と風車発電はペアである】
風力発電は、風がない時発電できないので、安定的な電源ではありません。
そのため、変動約を引き受ける火力発電所が、どうしても必要になります。
じゃあ、火力発電所減らないじゃないかという人もいるでしょうが。
その通り。
火力発電所は減らない。
じゃあ、意味がないと言うのは早合点。
火力発電所で使う燃料は削減できるのだ。
そのため、電力消費が増えた結果、火力と風車発電をセットで増設するのは、十分考えられる話です。
もっとも、既に火力発電所があるため、増設しなくても良い場合も多いです。
発電所は、基本的に装置産業ですが、火力の場合、運用コストに占める燃料費の割りあいが大きいです。
近年の燃料費高騰により、石油火力発電は、割高な発電となっています。
ヨーロッパの大型風力発電と比べますと、既に風車の方が安くなっています。
【ドイツとペアのデンマーク】
デンマークは、風車発電の発電量が過剰になった場合、ドイツに輸出しています。
変動をドイツに押し付けているという人もいますが...
ドイツから見れば、デンマークの風力電力を買っても、CO2削減になるので、別にそれ程問題ではありません。
自国、自前主義の価値観で見ると、そうなってしまうだけです。
【電力消費量が増えているスペイン】
アンチ風車派の人たちは、風車があるから火力発電が増えていると主張しているが...
そもそもの国の消費量が増えているのだ。
単位:十億キロワット時
国 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 |
スペイン | 170.31 | 189.57 | 201.16 | 210.4 | 210.4 | 218.4 | 231.2 | 241.8 | 254.1 | 276.1 | 276.1 | 276.1 |
つまり、風力発電が増えているから、火力発電が増えているのではなく。
電力消費量が増えているから、火力発電が増えているのだ。
もし仮に、風力発電がなかったら、火力発電によるCO2排出はさらに増えていたでしょう。
【デンマークの電力は高いか、安いか】
他の国と比較すると高い。高いけど...
そのお金の多くは、自国の風力産業や、地方なり、農村に落ちます。
そして、そのお金により、多くの人が雇用され、農村の生活を豊かにします。
都会の人は、大変ですが...それでも良いとしてしまっているのが、貧しい人が少ない平均的に豊かな国、デンマーク的なのでしょう。