経営の俗語(マーケティング?)で、カニバリゼーションというのがあります。
http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my02/my0221.html
カニバリズムは食人と言うそうですが...
生物学用語では種内捕食(いわゆる「共食い」)全般を指すそうです。
ここでは、共食いです。
具体的には、自社の商品Aが自社の商品Bの売上などを取ってしまうことです。
競合から売上を奪う、新市場を開発をするのであれば、売上は増えるのですが...
自社から取ってしまう場合、全社としては、売上は増えません。
むしろ経費がかかるので、利益的にはマイナスです。
また、商品の担当や部署が違う場合、内部対立を生みます。
そのため、多くの企業は、カニバリゼーションを避けようとします。
【カニバリゼーションを避けての失敗】
しかし、カニバリゼーションを避けることが、経営上失敗をもたらすことがあります。
(一言で言いますと、イノベーションのジレンマですが...)
例えば、低価格製品VS高級品です。
高級品を使っているユーザーが、低価格品に流れれば、企業は売上減少です。
そのため、企業は、内部で低価格品を出さないようにします。
しかし、実際問題としては、ライバルが低価格品を出して、売上が減少する危機は、避けられないのですが...
そこで、開きなおりが起きます。
他者に潰されるぐらいならば、自社でライバル製品を出し、自社の市場を自社で潰す。
インテルのAMD対策として、セレロンを出したのが有名な戦略です。
【しかし、意外と難しい】
内部の他勢力に潰される可能性があるためです。
そのため、潰されるのを避け、独立させるために、わざわざ別会社を作る場合があります。
アメリカには、この戦略を過去に取った航空会社も多いのですが、結局、文化や組織を完全に毒利させることが出来ず、失敗に終わったところが多いです。
ANAの場合は、香港の会社との合弁ですので、ANA本体からの介入圧力を減少させることが出来ます。
ANAの経営陣が、これを狙っているかは不明ですが、狙っているとしたら経営戦略として、なかなか興味深い事例になると思います。