金を使う日本、頭を使う中国 〜世界一のスーパーコンピュータへ

中国のスパコンが世界一になるそうです。

日本のスパコンは、500億円〜700億円かかっています。しかし、今回の中国のスパコンは、基本パソコンをつなげたものですので、たぶん40億円もかかっていないのでは?(国としてはより多くの予算を使っている)

計算機は、アメリNVIDIAGPUを使っています。 GPUは座標変換に必要なベクトル(行列)計算が、高速にできるので、汎用CPUより、行列計算の高速化が期待できます。
また、GPUは普通のゲーム、パソコンに大量に搭載されているので、安価です。
 さらに世界最新鋭の製造設備(台湾)で製造されています。
 つまり、コストパフォーマンスが良い。
 500億円開発費にかけても1000万個売れれば、開発費一個当たり5000円。
 当然安くできます。
 何よりも、NVIDIAGPUの新製品をどんどん作るので、GPUを交換するだけで性能がアップする。
 部品が壊れても交換が楽などメリットがあります。

 日本が、スパコン用のCPUを開発生産しようとしたのとは、別のアプローチです。
 日本は、500億円開発費にかけても1万個で、開発費一個当たり500万円。みたいな感じです。
 中国の半導体技術は、日本よりも下ですが、頭使ったなという感じです。

 正直、新規性・独創性はありませんが、スパコンに求められているのは、新規性・独創性ではなく、マシンパワーとコストパフォーマンスですので、良い選択だと思います。

 一部では、マックス性能と実際の性能の差が問題になっていますが、これは並列計算機では良くあることです。まして汎用チップですから。
 実際の性能のコストパフォーマンスでいうとかなりのものだと考えられます。
 中国スパコンは安いので、日本と同じ金額で5倍〜10倍の台数を買えると思われます。さらに毎年、2・3回のペースで更新できると思われます。
 科学者は、計算力がほしいのであって、それにいくらかかるか、コストパフォーマンスなんか考えません。
 コストパフォーマンス考えないと...結局、予算不足で首を絞めることになるのに...

【日本は...】
 仕分けで注目されましたが、以前よりコストパフォーマンスの悪さに関しましては、疑問を投げられていました。
 仕分けでは、「1位」か「2位」だけに注目されましたが。

 このニュースを機に、「スパコンの予算を付けろ」という議論が進むでしょうが...あの計画を進めてもね...という感じです。

 蓮舫さんのせいで中国がNO1になっとネットで叩かれていますが、あの計画を進めても、2010年の11月の段階で、中国のマシンの製作を止められるわけではなく、日本のマシンが存在しているわけではない(はず)。そのため、仕分けとの関連は現時点のNO1には影響していないだろう。
 計画を進めても、中国はより早いマシンを作るわけで時間的には微妙ですね。

【まっとうな記事】
 コンピュータサイエンスを理解した、まっとうな論説記事はこちらだと思います。