学力テスト:思考力と百マス計算 その1

 相変わらず応用問題が巧く解けず、思考力が足りないと毎年言われてしまいますが、思考力とは何でしょうか? 判るような、判らないような感じです。
 学校の文章題などをイメージした場合、以下のようなプロセスになるのではないでしょうか?
①文章を読む。
②条件などを理解する。
③解く対象(何を出せといっているのか)を理解する。
④モデルを作る(図に描くみたいなもの)。
⑤問題を解くための式を作る(モデルを式で表す)。
⑥式を解く。
 まぁ、先に問題を読んで、②と③が逆もありますし、かなり不正確ですが、流してください。
 文章題以外の計算を解く、小数点の足し算しろみたいな問題は、⑥だけです。
 それに対して、文章題は、ステップが多い上に、個々のステップで求められる技能が違います。
 文書理解力、分析力、モデルを作る技能、式で表現する能力などです(文章題は物理に近いですね)。
 学校では、どうも④と⑤について、あまり訓練されない。というより、塾や学校も、⑤の技能が必要であることをあまり認識していない(④に関しては図を描けと言っている。しかし、図を描く際のポイントや考え方などの訓練はしない)。
 出来ないにも段階があり、④の段階で出来ないことも居るし、⑤の段階で出来ない子もいる(文章題は答えよりも、その子の思考プロセスを見るほうが大事。そのため図を描くだけでも部分点をあげたほうが良い)。
 ④⑤に関しては、百マス計算をやっても効果がありません。解くのではなく、作るという別の技能だからです。
 ビジネスの場では、仮説を立てる(作る)ことが重要となります。ここら辺は、推論ということになりますが、やはり別の技能となります。