5×3は間違いで、3×5が正解 〜いまさらながら、かけ算の順序で間違いになる理由

「5人に3個ずつ蜜柑を配った。蜜柑の数は全部でいくつ?」という文章題に対して、5×3という式を立てて誤答になるケースがあるそうです。
「5個の箱にケーキが3個ずつ入っています。ケーキは全部でいくつ」 これもそう。


 だいぶ前に、MIXIやらなんやらの記事に乗っていたのですが、
 私自身、なぜ間違いになるか、なかなか判らなかった。


 こちらの記事を読んでも詳細は判らず。
「6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性」
http://blogs.itmedia.co.jp/magic/2011/12/6886-2d5b.html


 いろいろ、探すとどうにも、「掛けられる数」と「掛ける数」があるという発想らしい。
 しかし、そもそも、私には「掛けられる数」と「掛ける数」という概念が全くない。
 「掛けられる数」と「掛ける数」って、どうやって決まるんだろうと思うのですが・・・


 例えば、最初の問題。
 私は、普通に、5人に3つだから、5×3と考えてしまったのですが・・・・


 この場合、モデル的に考えて、3個のミカンが5人分。で、「3+3+3+3+3」
 「5+5+5」はさすがに苦しいしかな。間違いとは言えないけど、あとあと苦しむ発想の仕方だろう。
 3+3+3+3+3=3×5 だから、3が先。
 確かに、「3+3+3+3+3」となったら、5×3より、3×5かもしれない。イメージ的に。


 一瞬なるほどな・・・と思ってしまったが・・・・


 しかし、5×3の式の人が、「5+5+5」のモデルを頭で描いているとは限らない。
 やっぱり、×はおかしいような気がする。


 私の場合は、5人と5つの箱が頭に浮かんだ。
 しかし、それは「5+5+5」ではない。
 1つの箱に3つ入るイメージ。5箱が先に頭に浮かぶ、だから、5×3なのだ。
 3つ、3つ、3つ、3つ、3つという感じではない。
 5箱を最初に準備して、入れる感じかな。


あえて書くと
■←▽▽▽




 でしょうか。■が箱で、▽がケーキ。


 逆に、問題を少し変えて。
「1人3個の蜜柑を5人に配った。蜜柑の数は全部でいくつ?」
 という設問なら、「1人3個の蜜柑」という文面で、3個の蜜柑を持った1人の人をイメージ、その後、5人をイメージするかもしれない。
 そうなると、3×5になりそうな気がする。


 暗算の場合、情報を与える順序でイメージが変わり、式に影響するのでは?
 という初歩的な疑問が発生する。


 そもそも、「掛けられる数」と「掛ける数」があるという発想はいつまで使えるのだろうか?


 距離=速さ×時間 の場合、どちらが「掛けられる数」「掛ける数」という発想はない(はず)。慣習的に、表記は速さが先だけど。
 速さは、距離の時間微分だから、速さ=距離/時間が本来のモデルのはず。うん? あまり良い例じゃないな。

 
 良い例が浮かばないけど、全ては、モデル?が決定する。


 この発想で式を作れるのは、せいぜい中学までだろう。
 小学校や中学校に特化した、あとあと問題になる考え方のような気がする。



PS
少し前に書いた記事。
中学校受験向け数学が子供をバカにする可能性 〜大人になって伸び悩む
http://d.hatena.ne.jp/creativeability/20130309/1362843483