不正会計のポイント:財務諸表でみるあぶない大企業の見方

 中小企業で、簡単にできる財務の不正は3つ。


売掛金
②在庫
減価償却


売掛金
 存在しない売上。


②在庫
 売れないのに資産とされる在庫。また、そもそも、存在しない資産。


減価償却
 経費のコントロール


 子会社を使っての循環取引がありますが、これはなかなか発見が難しいですね。


 大企業は、さらに技があります。
のれん代
繰延税金資産


 近頃、大企業が巨大な赤字を申告する場合には、どちらかが絡んでくることが多いです。


のれん代
 のれん代は、会社を買収した場合に発生します。
 建前上、ブランド代のようなものです。しかし、オリンパスで行われように、ブランド価値は曖昧ですので、不正の温床になります。
 不正をする気はなくても、ブランド価値がなくなったのに適切な処理をしないと、結果的に不正のようになってしまいます。


繰延税金資産
 これが非常に判り辛い。
 税金関係から発生する資産なのですが、利益が思ったより伸びない場合に修正を行います
 つまり、業績が悪化した際に、さらに業績悪化要因になる非常に厄介なものです。


 大企業で、自己資本と比較して、①のれん代繰延税金資産の比率が高い企業は、ある日突然財務が悪化する場合がありますので、注意が必要です。