出川哲郎から学ぶマーケティングと経営戦略 その1 〜「ポジショニング」と「エコシステム」

 芸人出川哲郎を語る上で、重要な言葉は、「ポジショニング」と「エコシステム」です。

■リアクション芸人=駄目芸人?
 若手リアクション芸人には、誰が居るか?
 森三中あたりでしょうか。
 リアクション芸人の評価は低い。トークで笑いが取れない→リアクション芸人という道筋のような気がしなくもない。
 そのため、あえて目指す人間も居ない。故にニッチと言える。
 とは言っても...需要がないかと言うとちゃんとある。
 皆が目指す競争の激しいところではなく、競争の緩いところで戦う。これは非常に重要な戦略まさに、「ポジショニング」だ。

出川哲郎とエコシステム
 昔から嫌われ芸人の代表格だったけど、バラエティのスパイスとしては一流の腕を持つ出川哲郎氏。
 スパイスなので、メインではない。そして、絡んでくれる相手とのマッチングもある。
 ウッチャン◎ 雨上がり○ ナイナイ○ ダウンタウン△ 
(個人的な主観です)
 40過ぎの芸人なのに、自分を引き出してくれる人がいないと駄目だなんて...駄目芸人なのだろうか?

■リアクション芸人は、参入障壁が高い
 漫才は、脚本家、カメラマンなどとの関係は必要ありません。そのため、本人たちの技量のみが問題になります(まぁ、プロダクションの力もありますが)。
 しかし、リアクション芸人は、脚本家、カメラマンなど他との関係無くしては成り立たない。そのため、芸人としてある意味、中途半端、完結していません。
 他者との関係が重要になります。
 これこそが最大の参入障壁となります。
 リアクションは一発勝負です。
 どんなにリアクションが良くても、カメラアングル・絵が悪ければ意味がありません。どうも、出川氏のリアクションは、絵が良いようです。
 これには出川氏自身が、脚本家、カメラマン(の動き)を知っている。
 脚本家、カメラマンが出川氏(の動き)を知っていることが重要になります。
 しかし、多くの芸能人は、脚本家、カメラマンの方にそこまで知られていません。
 昔のお笑ウルトラクイズのように大量に仕掛けられていればいいのですが、リアクションは一発勝負ですので、信用度が低い芸人は使い辛い。

 じゃぁ、どうやって関係を持つかというと、たぶん最初はテレビに出て、リアクションが面白い人と認知されしかないと思います。そして、それを続けるしかない。
 時間がかかりますので、非常に高い壁といえます。
 ビジネス用語でいう「エコシステム」を用いた参入障壁と考えられます。