日本において話題にならないのですが、非常に深刻な問題。

 GDPで、ヨーロッパより高い低いという話は話題になりますが、より生活に密着している指数は、購買力平価という指数です。
 購買力平価は、物質面で見たその国の購買力・生活水準の指標です。
 日本は、この指数でも、順位が低下しています。つまり、相対的に豊かな国ではなくなってきています。
 逆に、GDPは近年の円高で、大幅に上昇すると思いますが...(GDPが為替で大きく変動するのに対して、GDPよりも為替の変動を受けにくいです)

購買力平価
 日本は1人頭のGDPでは、韓国・台湾と大きな差(100%〜150%)があります。しかしながら、現在、購買力平価の差は、15%〜25%程度の差になってしまいました。GDPは、購買力平価より差が出るのですが、この差は少なすぎます。
 韓国・台湾と日本の生活水準の差は、神奈川と宮崎の差よりも、もはや小さいと考えて良いでしょう。
 日本は金という点では、魅力的ですが、もはや生活水準という点では、魅力的な国と言えなくなっています。
 さらに、日本は、シンガポールや香港よりも下です。
 細かく言いますと、香港は日本人よりも、賃金が安いのに生活水準が20%上。シンガポールは、日本と同じくらいですが、生活水準が40%上となっています。
 これは、非常に困った問題です。
 彼の水準が高い原因は、物価の安い発展途上国に隣接しているのが大きいです。格差もその要因の一つでしょう。しかし、それ以外にも、生産性が低いところはバッサリ切っている点が挙げられます。保護貿易をしている余裕や意味すらない都市国家ですので。
 もちろん、野菜やサービスの質とかは違うし、それを繁栄している指数とはいえない。
 しかし、無視は出来ない指数です。 
【どいうことなのか】
 所得の割には物価が高いです。
 所得が高い国は、物価が高くなります。逆に、物価が高いと所得もある意味高くなります。
 日本は、国際的に見て、所得の割りにして物価が高い、物価が高い割りに所得が低い国ということになります。
【なぜ、そんなことが起きているのか】
 おそらくは、金回りが、想像以上に悪くなっています。
 金は天下の回り物です。金回りが良くなれば、物価はさほど上がらずに、所得は上がります。
 判り易い例として、2000円の床屋に、1日10人客が来れば、収入は20000円。15人ならば、30000円です。物価は変わらずに、所得は増えます。
【今後、どういうことが起きるのか】
 生活水準において、次から次へと抜かれていきます。
 現状のトレンドですと、数年後は、台湾、次に韓国に、生活水準で並ばれます。ただし、GDPで見た賃金は、台湾・韓国は下です。
 そのため、日本は、GDP的には、賃金の安さを武器にされ台湾・韓国から追撃される訳です。しかし、生活水準では、彼らにおいていかれるわけです。これは大変苦しいことです。