良く大阪が衰退した原因として、「工場三法で工場が大阪から県外に行ったからだ。」という主張を良く聞く。
確かに、工場は重要だけど、違うなという感じだ。
脱工業時代、知識産業時代に、工場にしがみ付く(他に視線が行かない)ことが問題ないのような気がする。
東京や川崎は工場が減ったけど、他の産業が伸びたので、十分繁栄している。
産業構造が変化しないなんて前提がおかしいのであって、問題は次の産業を育てられなかったことだろう。
じゃあ、なんで次の産業を育てられなかったかというと・・・工場三法が多少関係してくる。
工場三法は、工場の郊外移転を進める法律だけではなく、大学も郊外移転を進める法律なのだ。
その名残で、80年代90年代、東京の多摩地域に大学のキャンパスが増えた。ただし、都心部のキャンパスは残したまま。
まぁ、郊外キャンパスは都心回帰で不人気です。
その結果、大学の都心回帰が起きていますが。
山手線周辺の大学は人気があります。早稲田も東大も法政も明治も立教、中央も都心ですしね。
東京の都心部は若い人が多いですし、何もよりもITベンチャーなどと相性が良い。
東大のキャンパスなんて上野と渋谷のすぐ側で、渋谷にベンチャー企業が多いのは東大がすぐ側だから。 渋谷ビットバレーですね。
対して、大阪や広島は、大真面目に郊外に移転させてしまった。都心部のキャンパスを潰してしまったのだ。
アメリカでもヨーロッパでも、大学は知識産業の中核なのに、それが都心部にないんだからビジネスの発展が遅れるのは当たり前のような気がする。
大阪大学なんて、昔は中之島キャンパスがあった。もし、移転せずにそのままキャンパスを残していたら、中之島ビットバレーか梅田ビットバレーができていたのだろうか?
京大もIT系はパッとしないので、福岡や札幌よりもイマイチ感が出るのは何故なのだろう。関西系の気質なのだろうか?
困ったこととに、大阪の人間でこのことを主張する人はほとんど居ない。
相変わらず工場誘致と都構想だ。