品質管理の基本 ~不良品を見つけない

 品質管理の基本として、サンプルを取って品質検査(サンプル検査)をするのですが・・・
 良く勘違いされるのですが、これは別に、不良品を見つけるわけじゃないんですね。


 何万個も生産している中から、三つ取り出して、不良品を見つけるなんて無理です。


 三つ取り出して、不良品が見つかるようじゃ重症ですよ。


 じゃあ、何をやっているかと言うと、基本、バラツキを見ているんです。


 基本的に、同じことをやれば、同じ結果出るんです。
 物理の世界は。
 でも、悲しいかな、素材などにバラツキが出るため、毎回同じことはできない。
 そのため、バラツキのある結果になるんです。


 で、バラツキが酷くなると、不良品となります。


 人間もそうですよね。
 何かいつもと違うことをすると、ミスが激増します。
 例えば、何かトラブルが起きて、手順がいつもと違う場合は、いつもと違うので、ミスが激増します。
 ミスが起きたときは、ミスが起きやすいと言う状況ですね。


【手法】
 手法はいろいろありますが、良品と不良品の基準だけじゃなくて、良品側にグレーゾーンを設けるんです。


 良品なんだけど、危うい製品ですね。


 そんでもって、最初は真面目に何十個か検査して、製品のバラツキぐらいを見ます。
 そうすると、グレーゾーンに入る確率が、ざっくりですが出ます。


 あまり、グレーゾーンに入る確率が高い場合は、①品質が低すぎるので生産を中止するか②グレーゾーンの設定が不適切なので小さくする。などの行います。


 たとえば、0.1%の確率でグレーゾーンに入るとします。


 3つ取って、2個がグレーゾーンに入っていた場合、たまたまもあり得ますが、
 何か不味いことが起きていると考えられます。


 2度あることは、3度あるじゃないですが、三つともグレーゾーンならかなり重症なわけです。


 こうなった場合は、不良品自身を発見できなくても「OUT!!」「生産ライン停止」となるわけです。


【例外】
 半導体とか、液晶モニターなんて品質が酷いもんなんですよ。
 だから、全数検査して、良いものを出しています。


 インテルのCPUなんて、製造コストの6割〜7割が品質チェックコストじゃないかな。恐らく。