希釈した塩酸を罰ゲームとして、飲ませた先生が居るらしい。
35%の濃塩酸を100倍に薄めるとどのくらいのPHになるのか?
35%の濃塩酸の塩酸が約PH-1なので、100倍希釈でPHが2シフト(PHは対数表現)してPH1になる。
さて、問題はPH1の液体が安全なのだろうか?
ここからは医者じゃないので、ネットの資料を調べながら。
【胃酸】
胃酸のPH1〜1.5らしい。つまり、強い胃酸と言うことです。
飲んだ液体はPH1なので胃酸並。実際PH0.9程度と胃酸よりPHが若干高い可能性があります。
胃酸程度=安全という理論を言う人がいますが、どうなんでしょうか?
基本的に胃酸は、たんぱく質を分解するための強酸の液体です。
じゃあ、「危険な液じゃないか」という考え方もできますし。
人体の中にあるから安全と考えることもできます。
どっちなんでしょうか?
量にもよるけどPH1の塩酸にアルミ箔を入れておくと24時間後には溶けてなくなってしまうほどらしい。そのため、子供が電池を飲むと、大騒ぎになるわけです(大騒ぎの理由はそれだけじゃないですが)。
【そもそも、なぜ胃酸で胃は解けないのでしょうか?】
胃が解けない理由は、①胃粘膜があるためと②胃液自身に、胃を守る成分が入っているから。
粘膜がなくなると、5秒で胃に穴が開き胃潰瘍になるらしい。
http://www.pdfworld.co.jp/livedoor/s_02_i.html
http://page.freett.com/kiguro/zzz/z-karada/ieki.html
さて、食道には酸から食道を守る胃粘膜のような粘膜はないし、この塩酸液には細胞を守る特殊な成分も入っていない。
胃液は胃であり、胃液だからだから問題ないのであって、他の器官である食道などは胃液が通ると痛めます。
逆流性食道炎という病気があるくらいです。
http://www.mcube.jp/operative/explanation/gerd.html
どうにもPH1の液体は、全く問題ない、大丈夫と言える液体とは言えないみたいですね。
緊張のあまり肺に入ったら一大事でしょうね。
たぶん、飲んだときは食道は荒れたでしょう。本人は気がついてないかもしれませんが。
ただ、事件が起きたのが12月18日。1か月前なので、今から検査しても異常は見つからないでしょう。
【専門家による過信】
まったく無知の人間は、自分が知らないことを知っているので、非常に慎重です。
対して、この先生は、なまじ知識があることによる過信と言うやつです。
たぶん、胃酸と同じ程度というのは知っていたのでしょう。ただし、胃酸が安全かどうかの知識は医者じゃないからない。
胃酸と同じ程度だから大丈夫だろうと判断したのではないでしょうか。
まぁ、23歳ですからね。