2・3日の前の日経新聞に、ソニーが有機ELテレビから撤退するとの話しがあった。
一方、韓国メーカーのLG,サムスンは、12年あたりに大型有機ELテレビを出すのと話しがある(もっとも、これは張ったりであり、実際にならない可能性は高い)。
今日の新聞では、部材メーカーは、積極的に有機ELに力を入れているとの記事があった。
有機EL自身は、成長市場なので、部材メーカーが積極参入にするのは合理的な判断だと思います。
【傾向】
部材(部品や高機能素材)は強いけど、最終製品・セットメーカーは弱いと言う日本物作りの傾向通りの展開です。
(日本の最終品メーカーが強かったのは、強い部品メーカーの部品を使っていたからであって、実際は最終品メーカー自身はたいしたことなかったのかもしれない)
まぁ・・・・ディスプレー自身は、韓国(中国・台湾)から買うんでしょう。
そして、日本で販売されるものほとんどは、海外で作って、日本のブランドを付けて売ると言う感じでしょうか?
アメリカやヨーロッパでは、液晶パネル生産していませんので、現状のアメリカやヨーロッパみたいな感じですね。
そこまで行ってしまうと、テレビ事業って何なんだろうという気もします。
テレビは家電の花ですので、ここで忘れさられると、会社名・ブランド自身の認知度が下がると言うので、出しているようですが・・・・
【商社化と残る企業は】
日本のメーカーの商社化(本社だけ残って、生産や開発がない)は、90年代から進んで、2000年中盤くらいからは一気に進み、近頃は目も当てられない状況になってきた。
本社の人間は、生産部門や開発部門がなくても、生き残っていけると考えている。確かに海外で作りに、日本で売ることで彼らはある程度食べて行けるだろう
もっとも、海外に出る力はない。もともと、日本の企業は本社の企画力・マーケティング力・低コストで世界とやり合っていたのではなく、生産部門や開発部門の力で戦ってきたのだ。
本社自身の力は、欧米より無能・高コストだ。下手すると、韓国・中国より無能かもしれない。
そのため、海外に出る力はない。
ヨーロッパやアメリカでは、ほとんど家電メーカーは消滅しました。ほぼ消滅パターンは同じです。
自社製の諦めとOEM化→メーカーの本体ブランドの進出による、自社ブランドの衰退→本社解体・ブランド名だけ売却して存在。
残っているのは、かなり個性のあるところだけですね。
日本の家電メーカーも、そんな感じになるんでしょう。
アメリカやヨーロッパで、商社化して、何千人もの本社従業員を抱えている会社があるかと言いますと、あまりありませんね。
日立は家電の弱さ(売上の小ささ)が、斬っても大きな影響がないということで、もはやある意味強みにすらなりかけています。
松下も、家電に対する依存は思いのほか小さい。ただし、2000年代の円安局面での拡大が、縮小時代ではマイナスに働いているのが悲しい。
ソニーは、家電部門での敗北は、会社の解体消滅に繋がりかねない。