ゲームと品質管理 その③ 組織規模と仕様書

■組織規模と仕様書の問題
 仕様書がないゲーム開発というのが中小ではあります。
 一般的に、組織が小さいうちは、ルールとか、書類・管理者(組織)は重要ではありません。
 というか、下手に導入すると、効率が落ちます。
 しかし、人数が多くなりますと(だいたい4人、5人あたりから)、情報の共有化・手順書、ルール・書類、管理者(組織)の順に重要になります。
 1人ですと、情報の共有は必要ありません。自分で全部判っています。しかし、人数が増え始めますと、分業が始まり、誰が何をやっているか、仕事がどんな状態になっているのか、判りにくくなります。
 一番初めに、問題になるのが、「どんな状況なのか」か判りにくくなります。また、一人一人のやり方、手順の違いが問題になります。そのため、情報の共有化・手順書が重要になります。
 仕様書は、情報の共有化の一形態です。
 現在、開発チームが4・5人以下なんてことは、まずないので、仕様書は必須のものと言えるでしょう。
 
■とりあえず、マニュアルと攻略本は、企画の直後から書き始めるべきだ。
 マニュアルは企画の直後にあるべきだ。
 なぜなら、マニュアルには、どんなゲームなのか、どんなユーザーインターフェイスなのか、そして操作方法などが書いてあるから。
 これがあるだけで、開発者だけじゃなくて、皆楽になる。
 あと、攻略本。これもあると便利。
 モンスターやマップ、シナリオ、イベントなどの仕様書になる。そして、売るとお金になるので、一石二鳥で無駄がない。
 さらに、攻略本のページが多い=開発量が多い ということになるので、見積もりにもなる(当初より攻略本のページが増える場合、見積もりや納期をオーバーする可能性が高い)。
 攻略本の作成は、シナリオやマップがないと書けないため、最初は空っぽだと思うけど。それで良い。埋まることにより進行具合が判る。
 スケジュールや予算管理の参考、デバックにも使えるので、一石二鳥どころか、一石五鳥か。
 多くの企業は、仕様書=お金にならないものということで、お金・人を裂かないのだが、ゲームの場合、攻略本ということで一部は、金になるんだから、普通のソフト開発よりも恵まれている。

PS
 アニメなどは、企画書やシナリオ、絵コンテなどを本にして売ったりしているわけだから、ゲーム業界も、小銭稼ぎやファンサービス、広告の観点から仕様書を作って、公開することを考えても面白いかもしれない。