野球とサッカーには国内プロリーグがあり、トップ選手になりますと給与として数千万、数億のお金を得られます。
対して、アイスホッケーはプロチームは存在しますが、給与として得られるお金も、数百万円が上限です。
そのため、選手のキャリアプランとしては、国内チームがゴールというのは難しいです。
というか寂しいです。
そのため、NHLをゴールに設定するのが理想だと思われます。
ただし、現状の日本のレベルを考えますと、
日本→NHL
というのは、ハードルが高いような気がします。
日本→ECHL→AHL→NHL
と言う経路もあるのですが(そっちの方が普通かな)、
ECHLは金銭的にイマイチです。
ECHLは最低で週、400〜475ドル(2013あたり)。
AHLは最低で4万3千ドル。 過去最大で35万ドルとの話です。
給与水準は、AHL>=日本>ECHL
でしょうか。
日本の方がレベルの割には給与は良いです。
【ヨーロッパのプロがない国、セミプロの国】
話を変えまして、ヨーロッパのノルウェー、デンマーク、イタリアなどの国。
これらの国は日本以上に選手層はファン層は薄く、競技だけでの生活は難しいです(プロと言うよりセミプロではないだろうか)。
では、プロを目指すのが難しいかと言いますと、そんなことはありません。
自国が駄目なら外国に行けば良いだけですから。
隣国のスウェーデン、フィンランド、スイス、ドイツにはプロが存在しますし、そして、NHLも夢ではありません。
レベル的には、NHL(北米) > KHL(ロシア) > スウェーデン、フィンランド、スイス、ドイツ > 日本でしょうか。
さて、プロと言う以上は、ヨーロッパのリーグの給与は、どのくらいなのでしょうか?
http://forums.internationalhockey.net/showthread.php?6068-Salary-levels-in-European-top-leagues-and-in-NA
アメリカドルで言いますと、こんな感じらしい。
1. Russia: $400,000
2. Sweden: $200,000
3. Switzerland: $170,000
4. Germany (DEL): $150,000
5. Czech Republic: $100,000
6. Slovakia: $75,000
7. Finland: $67,000
1ドル=約90円計算でだいたい
1. ロシア: 3600万円
2. スウェーデン: 1800万円
3. スイス: 1500万円
4. ドイツ (DEL): 1350万円
5. チェコ: 900万円
6. スロバキア: 680万円
7. フィンランド: 600万円
NHLほどではないですが、AHLよりは良さそうです。
ドイツ以上のエリアの給与水準は十分目標になる水準ではないでしょうか?
チェコも生活を考えると十分。セカンドキャリアが不安ですが。
給与水準を見ますと、スイスが躍進している理由が判るような気がします。
詳しい調査はしていませんが、競技人口が少ないヨーロッパの国でも、プレイの質が上がっているのは、自国では完結しない意識と体制があると思います。
国代表の所属チームを見ますと、自国と他国リーグが多いので、レベルの高い選手は、少しでも給与が高いリーグに行っているのが判ります。
フィンランドの代表は、ほとんどNHLですけどね。
【協会がやるべきことは】
まず、情報が少なすぎるので、ヨーロッパとの関係を強化して情報を得るべきでしょう。
そして、キャリアプランとして、ヨーロッパなど海外も組み込むこと。
協会はどうしても、日本のアイスホッケー振興を中心に考えてしまい。
発想が国内に限定してしまいます。
しかし、選手のキャリアで考えますと、容易に国境を超えることは可能です。
現状の日本のレベルを考えますと、
日本→NHL
というキャリアコースよりも、
日本→ヨーロッパ→KHL→NHL
というキャリアコースが無難かもしれません。
上記のキャリアコースで、選手の育成やモチベーションの向上を行い、
海外プロの選手を増やし、レベルを上げ、オリンピックに出場して、日本国内の認知度を上げる。
時間がかかりますが、アイスホッケーの振興策の一つとしてありだと思います。
韓国では、 ヒョン・ジュンポムという選手がドイツのリーグに居たそうです。
男性で既にヨーロッパに行かれている方もいるみたいですし。
また、高嶌遥さんという女性の方が、現在、ドイツのリーグにいらっしゃるようですので、
あながち現実味がない話ではないと思うのですが。