みんな惨劇、大型液晶パネルメーカー 〜辞める地獄、続ける地獄

 シャープが液晶テレビの不振により大赤字になりました。
 液晶の供給過剰による価格の低下、円高による価格競争力の低下、国内における地デジバブルの終了による販売低迷で、ボロボロ状態です。
 もっとも、韓国・台湾メーカーが利益を出しまくっているかというとそうでもない。
 結構赤字で苦しんでいる。
 それほど、過剰生産により、価格が落ちているのだ。


 だったら、生産減らせば良いじゃないかと思うけど、皆で減らせばカルテルになるし、そもそも巨額な設備投資(固定費)を回収できない。
 赤字でも生産した方が、ましというまさに悪循環な状態だ。


 しかも、今後、中国国内での液晶の大生産が待ち構えている。


 韓国・台湾メーカーも、それを判っていて、大変困惑している。
 ハッキリ言って、韓国・台湾国内の液晶工場も赤字で撤退になる可能性すらある。


 韓国は対応策として、韓国国内に有機ELの工場を建設して、液晶と差別化したいようですが・・・・消費者が、特に新興国の消費者は価格重視なので、その戦略がうまく行くかは微妙だ。


 シャープは、第十世代工場を2010年後半(?)に動かし始めたばかりなので、減価償却も終わっていない。
 そのため、辞めるとしたら膨大な赤字(損失)を計上しないといけない。


 まさに現状の大型液晶パネル産業は、一部の部材メーカーを除いて、辞めるも地獄、続けるも地獄の状態だ。