新人が「辞める職場」と「辞めない職場」 〜働く動機は何ですか?

 GWも終わり、そろそろ、新人が辞め始める時期になりました(本当に早い人は入社当日、GW戻って来ないですけどね)。
 ここまで早いと、採用に問題ありですが、そうじゃなくても、3年以内に多くの新人は辞めます。


 仕事のイメージが違うなどミスマッチ系は、正直言って、採用を改善しないとなくならない。
 しかし、辞める理由はそれだけではない。


 新人が2年目、3年目に辞めるのは、仕事が判ってきたことが原因で辞めることが多いのだ。


 新人が2年目、3年目に辞めるのではなく、4年、5年経つと辞められないという表現が正しい。


 新人が辞める職場は、実は現役社員も辞めたい職場であることが非常に多い。
 そのため、新人が辞めない職場にするためには、現役社員が働きたい職場にしないと、話にならない。


【働く動機は時間とともに変化する】
 話は唐突に変わりますが...

 
 人の働く動機は、働く動機は時間とともに変化します。


 お金(生活のため)→職場環境(人間関係や働きやすさ)→やりがい(自己実現


 この話は、「マズローの欲求段階説」と非常に一致している。


1. 生理的欲求(physiological need)
2. 安全の欲求(safety need)
3. 所属と愛の欲求(social need/love and belonging)
4. 承認の欲求(esteem)
5. 自己実現の欲求(self actualization)

 
 今の時代、1と2のハングリー精神で働かせる時代ではない。
 しかしながら、1と2のお金を働く目的にしてしまっている会社が非常に多い。


 1と2のお金を働く目的にしてしまっている会社や1と2すら満たせない会社は、間違いなく「辞める会社」です。
 そして、その会社の業績も悪い(離職率は会社を知るための非常に良いベンチマークです)。
 

 現在、強く望まれているのが、3、4、5です。


【3. 所属と愛の欲求】

 3は職場環境(人間関係や働きやすさ)などです。


 先輩との人間関係などは、まさにこれですね。


 先輩や上司の人間性に難がありますと、目も当てられません。
 離職者の多さを人事評価に入れている会社もあるのですが...その場合、「いま辞めると俺の評価が下がるから辞めてくれ」と説得された例もあるそうです。
 むしろ、そう言われたら積極的に辞める理由になったそうですが...やはり、ダメ上司ですね。


 先輩や上司の人間性に難がなくても、大企業なら、同年代も多いのですが、中小企業ですと、近い年齢がおらず人間関係の形成が難しい物があります。

 
【4. 承認の欲求】
 4はなかなか面白いです。WIKIを見ますと以下のようにあります。

承認(尊重)の欲求(esteem)
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求 
尊重のレベルには二つある。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしている。高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。
この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。


 中高年の人や権力者たちが、「他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目」など低いレベルの尊重欲求に対して、 新人さんや現在の社員が飢えているのは、太線の高いレベルの尊重欲求ではないでしょうか。


 中高年の人や権力者たちは、そのことに気がついているのでしょうか?
 
【人を大切にする会社】

 人を大切にする会社は、単に給与が良い、休みが多いと言うだけではなくて。
 上司の人柄が良いとか、風通しが良いとか、社風そのものが違うんですよね。


 結局、子は親の背中を見るじゃないですけど...部下は上司を見て、新人は先輩を見て育つわけです。