磁石の磁力でくっつける 〜ドラッガーのマネジメントとシュンペターのイノベーション 

 「ガイアの夜明け」を見ていたら、日本ポリグルと言う会社が出ていた。
 そこで鉄の粉を混ぜた水質浄化剤が出ていたんですが、直ぐには鉄の粉を混ぜる意味が判らなかった。

 水質浄化剤を混ぜてかき混ぜると、塊が複数出来る。その塊を磁石で一瞬にして集める。
 なるほど!
 こうするのか。感心した。これなら、低コストで途上国でも簡単に使える。
 その一方で...どこかでデジャブ感がある。
 確かTRIZか何かに書いてあったな。
 たぶん、よくつかわれる手法何だろう。

 
イノベーション
 シュンペターは、イノベーションとは新結合で起きると言ったそうです。
 既存の物と既存の物を組み合わせ、新しい物を作ることを言いますが、これもある種の組み合わせなんだろう。
 しかし、効果は抜群だ。
 こういう発明は、見ていて気持ちが良い。


 イノベーションのためには、専門知識+異業種の幅広い知識が必要です。
 なぜ、異業種の幅広い知識なのでしょうか。
 同業種なら、既に組み合わされている可能性が高いためです。


原発
 原発の汚水処理に使うかもしれないとのこと。何とも頼もしい。
 そのまま海に垂れ流すよりも、10分の1でも薄めた方が、遥かにましだろう。
 もっとも、東電はあまり乗り気ではないのだろうか?
 新聞でも、どう浄化するかあまり載っていない。
 ロシアかフランス製を使うみたいだけど、年2000トン?。
 既に10万トン近くも出ているのに、呑気なもんだ。


 なんで、異業種の技術を積極的に使わないのか?
 信頼性に欠けるのも理由の一つでしょうが...多分異業種の技術を理解できないだろう。
 上層部は、法務や経営出身の文系、政府系は議員や自衛官
 現場も、電気や原発の専門家。まだ現場の方が理解できそうだけど、思考がタコ壺に入っている可能性が高い。


【逆イノベーション?】
 イノベーションのためには、専門知識+異業種の幅広い知識が必要です。と言いましたが...
 原発の事故への対処は、「異業種の幅広い知識」とは全く逆ですね。
 「もしドラ」では、「野球部が異業種である陸上部から速く走る方法を教わり、速く走れるようになる」という話があったような気がします。
 「汚染水の海への流出を押える」「埃を抑える」などの話は、原子力の専門家よりも、建築・土木関係者の方が、詳しいでしょう。
 彼らの初期の対応を見ると、建築・土木関係者に相談したのかな?と不安になります。
 文殊の時も他者の知恵を使わずに失敗しています。なぜか、人に相談する、人の知恵を使うという文化がないのでしょうか。


 自分たちの知識だけでやらずに、一番詳しいだろう人の知恵を借りる。重要なマネジメントです。
 東電の人たちは、マネージャーとしても二流なんでしょうか? と思ったりします。