日本の法人税は高いのか? 〜消費税(付加価値税との関係)との関係

 日本の法人税は高いと言われています。
 本当でしょうか?
 こちらのサイト「世界各国の法人税税率の一覧」を見ますと高いですね。

世界各国の法人税税率一覧表(最大税率)
国名 法人所得税 その他(法人住民税等) 法定実効税率

(合計税率)
消費税率(%)
食料品の消費税率(%)
イギリス 28 0 28% 17.5 0
フランス 34.43 0 34.43 19.6 5.5
イタリア 27.5 0 27.5% 20 10
ドイツ 15.825 14.35 30.18% 17 6
アイルランド 12.5 0 12.5% 21 0
スウェーデン 28 0 28% 25 12
アメリ 32.7 6.55 39.25% * NY8.875%
韓国 25 2.5 27.5% 10 10
日本 27.98 11.56 39.54% 5 5
 *アメリカは州別です。また、ちょっと古いデータです。
 高いですね。
 国際的に高いので、企業競争力強化のために下げましょう。
 以上、おしまい。
 本当にそんな議論で良いのでしょうか?

【そもそも法人税だけの議論は正しいのか?】
 法人税は何にかかるのか、基本的に企業の利益(所得)です。
 試しに、パン屋A、Bについて考えてみましょう。
 法人税率を40%、消費税(付加価値税)を5%として計算。
企業 売上 粗利 利益 法人税 消費税(付加価値税
A 10億円 5億円 1億円 4000万円 2500万円
B 100億円 50億円 1000万円 400万円 25000万円
 法人税の額が、売上の小さいA社の方が売上の大きいB社より大きくなってしまいます。
 小さい企業が、大企業よりも多く納めるなんて...不思議ですね。
 金がないから、納められないと言えばお終いですが...
 企業の規模の大きさが、10倍違うので、社長の年収とか違いそうですね。A社は1000万円。B社は2000万円かもしれません。
 それに対して、消費税(付加価値税)は粗利に比例して、払われています。

【消費税(付加価値税)とは】
 消費税は以前、売上税と呼ぶ案がありました。
 英語では、消費税は「Value added tax」付加価値税となります。付加価値・粗利に応じて、納税するという意味です。
法人税の問題点】
 法人税は利益に対してかけられるので、大企業であっても利益を出していなければ、税金を納める必要はありません。
 たとえば、多くの銀行は、行員が高い給与をもらっていながら税金納めてないんですよね。
 それに対して、付加価値税は、利益のあるなし関係なしに、企業活動しているなら払えという考えです。
 つまり...ヨーロッパの企業は法人税率が低いので、税金を払っていないという意味ではなく、付加価値税と言う形で税金を納めているので、法人税率が低いんです。
【本当は...】
 法人税付加価値税は密接に関係のある話なのですが、日本は少しずれている気がします。